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皮膚のお話の続きの続き

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

鎖骨骨折生活22日目。

母親からLINEがあり

「骨折どう?」って聞かれたんで「おっ、心配されてるんだな」って思ったらその次の一言が
「仕事できるようになった?」でした。

・・・

身体の心配じゃないのね😅


さて、皮膚炎の続き。

食べ物に関してはまだまだ言いたいことはありますがキリがないので次。

でも食べ物つながりで一つ言っときますね。


・薬剤

これは外せません。

病院で処方される薬もそうですが、フードやおやつなんかに入っている薬も皮膚炎を始め様々な症状の原因になる可能性があります。

例えば市販のおやつのささみジャーキーの原材料を見てみてください。

ささみ、の後ろに何種類も薬の名前が書いてあることもあります。

おやつの種類も千差万別。

ささみそのものを乾燥させたシンプルなものもありますが、柔らかく、色良く仕上げているもののほとんどには何種類もの薬が使われています。

もちろん日持ちをさせたり色良くさせたり、美味しくさせるには必要な添加物なんだろうと思いますが、薬は薬です。

それが何種類も毎日のように身体の中に入ってくると肝臓だけじゃ処理ができなくなり、皮膚や目脂なんかからも出さなくてはいけなくなります。

薬は必要なものであったとしても、東洋医学などの生薬を除いては自然界にあるものではありません。

それを処理する身体には相当な負担がかかっていると思います。

だから皮膚炎がある子たちはまずおやつやフードを見直してみてください。

入ってくる添加物を減らすだけで、涙やけなんかはすぐに変わることもあります。


また薬の中でも皮膚炎の子がよく飲んでいる薬に「抗生物質」があります。

膿皮症と言って一般的によく認められる皮膚の湿疹は、皮膚の上にいるブドウ球菌が異常に繁殖してしまったせいだ、と言われています。

ですのでその菌を倒せば皮膚炎が治るだろう、ということで抗生物質が結構処方されるんですよね。

ほとんどの塗り薬にも入っています。


でも私個人的にはこれはおかしいのではないか?って思っているんですよね。

だってブドウ球菌って皮膚の上に元々いる細菌であり、普段は悪さをしていません。

他の菌とバランスを取り合って、身体が壊れないようにしてくれているんです。

皮膚にいる菌たちは身体をバリアして、保湿だったり外からの微生物の侵入や定着を防いでくれている。

そんな菌が異常に増殖するってことは、何かの原因で身体のバランスがおかしくなったってこと。

にもかかわらずその原因がわからないまま抗生物質を使用してもいいものなんでしょうか?


確かに一時的には増殖した菌が減って良くなったように見えますが、何回も使っているとどんどん効かなくなるどころか、むしろひどくなってくることがあります。

いや、これは当たり前です。

抗生物質で殺している菌は皮膚炎の原因になっている菌だけでなく、他にも様々な菌も殺してしまいます。


みなさんはアルコール消毒をしたり「除菌」をうたっているハンドソープや洗剤を使っていますか?

この時期、手はどうですか??

乾燥して荒れていませんか?

それは菌が死んでしまって、身体のバランスが崩れているってことです。

そして一度でも抗生物質を使うと、身体が元に戻るまでに早くても数週間、長いと半年とか1年とか掛かります。

その間は本人の免疫は弱っていますし、もしその間にまた違う種類の抗生物質を使うようになったら・・・

そして抗生物質で菌が死ぬのは皮膚だけでなく腸も同じです。

免疫の8割は腸が担っているとも言われますが、そこの菌が死ぬ=手荒れの状態が腸にも起こる、って考えてみてください。

よくはないですよね?

薬は必要ですが、必要以上に入れない方がいいと思っています。


・シャンプー

これは気がつかないうちに皮膚を荒らしてしまっていると思っています。

今のシャンプー剤は、皮膚にとって刺激の多いものがとっても多いです。

まぁ幸い動物のシャンプーって人間のものよりもこだわって作ってあるものも多いので、最近は刺激の少ないシャンプーも出ていますが、私は「薬用」って書いてあるものは成分をしっかり確かめた方がいいと思っています。

特にブドウ球菌やマラセチア認められた時のシャンプーは「消毒」に近いものです。

皮膚の菌を根こそぎやっつけてしまいかねません。

これはアルコール消毒に似ています。

もちろんその後に保湿をすればいいのかもしれませんが、それなら最初からやらなければいいですよね。


ちなみに私は動物にシャンプーは必要ないんじゃないか?って思っています。

もし汚れていても石鹸とお湯でいいのではないかと。

今はマイクロバブルや炭酸泉を導入しているところもありますし、うちの病院でも「ウルトラファインバブル」の水にして、なるべく薬剤を使わないで必要以上に皮膚を傷つけないようにしようと思っています。

まぁ私自身がシャンプーやボディーソープを完全にやめて調子がいいので、動物にもいらないんじゃないかな〜って思うんですよね。


・ストレス

もしかしたら1番の大敵かもしれません。

ストレスっていろんなところに出ますが、皮膚にも出るんですよね。

人間で言うとアトピーのある方は緊張したりすると、皮膚が痒くなったりしませんか?

私の友達はよく痒がっていました。

また、家族間でのトラブルがあると皮膚の痒みとして出やすい、という本も読んだことがあります。

犬で言うと足を舐めたり噛んだり、お股を舐めたり。

猫はお腹を舐めて毛がなくなってしまう子もいますよね。


ストレスって本当に様々な原因になります。

ストレスでお腹を壊したり風邪をひいてしまうように、免疫を弱らせてしまうんですよね。

だから皮膚炎になっている場合は、ストレスとなることがないかを、今一度考えてあげてください。

そしてストレスは動物のものだけでなく、飼い主さんのも解消することが大切です。


このブログを書いている目的は、いろんな不安を取り除くことです。

インターネットで何かを調べると、いろんな不安な情報が出てきます。

動物病院に行ってもより不安になって帰ってくる、と言った声もよく聞きます。


飼い主さんが不安になっていると、動物もそれを見て間違いなく不安になります。

日本人は真面目すぎるんだと思います。

最初は「楽しむため」に動物を飼い出したのに、いつしか「義務感」に変わり常に「不安」が襲ってくる。

はっきり言いますね。

その義務感、ない方がいいですよ。


逆の立場だったらどうですか?

犬猫は飼い主さんと遊びたいし、楽しくしたいんです。

でも飼い主さんが
「この子はちゃんと飼わなければいけない!」
「ちょっとうんちがゆるいから、病院に行かなければ!」

って感じだとちょっと息苦しいですよね😅


自分で思うんですよね。

もし私の親が自分の人生を犠牲にして、自分の楽しみもお金も犠牲にして、「子供のために!!」って必死になっていたら、なんか辛いなって。

んで、喧嘩になった時にこう言ってしまうのかなって。

「別に頼んでないし」


幸いうちの親は放置Pだったんで大丈夫でした👍


親になって思いました。

「木の上に立って見る」で親。

もちろん子供はちゃんと育てなければいけないですが、少し離れて見て、自分は自分のやりたいことをやって、背中を見て貰えばいいのかなって。

っと長くなりましたのでそろそろ締めますが、ちゃんとなんてやろうとせず、動物といる時間をゆっくり過ごしてください。

スマホ、テレビ、その他諸々ほほっぽり出して一緒にいてあげることが、実は1番の治療だったりして・・・


では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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