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東京往診3days ねじれを感じましたね〜

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

先日富士川で行われたアジリティ大会を見にいった林です。

患者さんというかいつもケアさせていただいている犬たちがたくさん自場したので、初めて見にいってみました〜


いや〜迫力ありますよね👍

みんなめっちゃ素早いし、よくコミュニケーションの取れている子ばかりでした。

にしてもボーダーコリーが多すぎw

8割ボーダーでしたww


うちもボーダー実家にいますが、今から少し始めてみようかな〜と思った週末でした😊


さて、昨日までの3日間は東京方面への往診でした〜

月2、3回東京、神奈川、埼玉中心に走り回っております。


昨日までは

初日 八王子2件、国立、狭山

2日目 練馬、八王子

3日目 三鷹、川崎

診察数は少なめでしたが走り回っていましたねw


今回初診が2件入っていました。

基本的に今診察している方たちは紹介が多いです。

私の診察スタイル、普通と違うと思うんです。

いや、普通なんてそもそもない、って日頃から思ってますw

でも一般的に、大多数の動物病院で行われているものとは少し異なっていると思っています。

だから普通、って言葉はあんまり使いたくないですが、今世の中で行われている動物医療をここでは普通、って言っていきますね。


そんな治療をしていると、今飼い主さんんたちが求めているものと、動物病院サイドが提供しているものとの差が徐々にではありますが、でも確実に食い違っている気がしてきます。

そう、ねじれが起きているんです。


いろんな患者さんに会っていると、いろんな昔話を聞くんですよね。

中には半世紀ぐらい動物を飼い続けている人もいるし、保護含めると100頭を超えている人もいますw

そんな人たちからの話で多く出るのが

「昔の獣医さんは人情味があって人間っぽかった」ってお話。


ここでいう昔って30年以上前の話だと思います。

当時は医療も発達しておらず今ほど動物病院の数もありませんでした。

当然ですが検査や薬も今とは比べ物にならないぐらい少なく、また制度や質も悪かったと思われます。


状態が悪く診察に連れて行っても手遅れ、ってこともあったと思います。

事実、お話を聞いているとほとんど動物病院に連れて行ったっていう記憶はなく、最期悪くなってもそこまで治療ができなかった、っていう患者さんもいます。

でもそれに対して不満を持っている人って案外少ないんです。


なぜか??


昔はそんなそこまで医療に対して期待されてなかったんだと思います。

動物病院も少なくできることも少ない。

それを飼い主さんもわかっていたんだと思います。

でもそんな中でも真剣に診察してもらったことが満足だったんでしょう。


よく聞かれる話が

「昔の先生は往診もしてくれたし、時間外でも診てくれた先生が多かった。」


これはよく聞きます。

もちろんこれには良し悪しがあります。

ぶっちゃけそんな生活をしていたら休みはありませんし、体調を崩すこともあると思います。

でもそういう時の診察って本当に助かるんですよね。

そういう中で人間関係が築かれていくんだと思うんです。

事実、私も最初の病院で夜間診療をしていた時、昼間の患者さんよりも夜診察する患者さんの方が仲良く話しやすくなっていきました。


そういう人間同士の繋がりが以前は頻繁にあり、患者さんと獣医さんの需要と供給が成り立っていたんだと思います。


そしてそこから10年ぐらい前までの時期に関してはペットブームですね。

#これ、私個人の考えですからね〜

私が初めて犬を飼ったのも20年ぐらい前、ちょうど動物が増え、動物病院も増えてきた時期でした。

この頃になってくると色々な本が出て、テレビでも特集をやるようになってきて、そしてインターネットができてくると病気に関して様々な情報が集まるようになってきました。

そして犬猫を家の中で飼うようになっていったのも、ちょうどこの30年ぐらいじゃないでしょうか?

私が子供の頃はまだ犬は外にいましたし、地域によっては野良犬も普通にいたと思われます。

私も放してあったドーベルマンに追いかけられたことがありますw

#校庭に犬が入ってきた、っていうネタがわかるのもこの時期の人までですかね??


そうするとですね、飼い主さんの要求が上がるんですよ。

なにしろ犬猫が家の中にいる、ってことは「家族」みたいな存在になったんですから。

それまでの犬猫の飼い方は、犬は外にいて散歩とご飯の時は飼い主さんと一緒ですが、それ以外は飼い主さん以外人ととも触れ合ったり、まぁボ〜ッとしていますよね。

猫に関しては中で飼う、なんて発想はあんまりなかったんじゃないでしょうか?

というか「飼っている」というよりは、散歩に行っていて、お腹が空いたら帰ってきて暖かいところで寝る。

それぐらいな感じだったんじゃないでしょうか??


でもこの30年で環境が大きく変わった。

そうなると犬猫との関係性も大きく変わり、当然ですが飼い主さんの要求するレベルも上がってきます。

医療がどんどん高度になって行ったんですよね。


飼い主さんの方も初めて動物を飼う方が多く、ちょっとしたことで不安になって病院に行くようになります。

また動物が歳をとって行った時、今までであれば「歳だからね〜」って言っていたのが家族同然で過ごしていると「なんとかして助けたい」って思いが強くなってきます。

これは当然のこと。

そうなると動物病院側もそれに応えようと色々な治療をするようになってきます。

その結果今までだと助からない病気が助かるようになったり、今までだとわからないこともわかるようになったり。

動物医療はこの10〜20年で目まぐるしいほどの進歩をしてきました。

そしてその恩恵を受けた動物と飼い主さんも多いと思います。



しかし当然ですがいい面があれば、その裏には別の面も現れます。

それが今感じている「ねじれ」につながっているような気がします。


以前なら「少し様子を見ましょう」と言われていた症状であっても、今は色々と調べることができます。

そうすると不安になってきますよね。

我々獣医師もそれは同じです。


「何かあったらどうしよう・・・」

そういう思いで診察することが多くなっているはずです。


その結果・・・

何かあったらすぐ検査、そして薬が処方される。

さらには入院して様子を見る。

腫瘍なんかが見つかれば早めに手術をしたり抗がん剤をやったり。

大きな病気になると大きな病院に紹介したり。

病気にならないためには日頃からのケアが必要だから、毎年1回、いや犬猫は人間よりも早く歳をとるから年2回の健康診断で血液検査やレントゲンなどの画像検査をやって。

病気にならないようにワクチンは毎年、フィラリアやノミダニの薬も毎月・・・


こんな感じでだんだん増えて行っていませんか??

さらに昔は一つの動物病院、1人の獣医さんと長く付き合っていたのに対し、今はいろんな動物病院があり、獣医師も増えています。

病院内に十人以上の獣医師がいるところもあります。

そのような環境では飼い主さんと獣医師の関係も希薄になりがち。

そのような薄い信頼関係では「何かあったらやだな」となってしまい「様子を見ましょう」となかなか言えない状況になっているような気もします。

それが念の為の検査や薬、処置にもつながっているんだと思います。

そんな中でこの数年、飼い主さんたちの要求が変わってきたような気がするんです。

「あの子は最期まで頑張らせちゃったけど、あそこまでする必要があったのかな??」

「この子、これだけ病院に行っているけど、以前はそこまで行かなかった・・・なんでなんだろう?」


ちょっと長くなってきたので、続きは次回に回します。

ペットブームが起きて治療がどんどん高度になって行ったのと同様に、今まさに時代の転換期のような気がしています。


では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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