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中医学は面白い

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

氣を下すことの大切さを学び、それを実感するにはどうしたらいいのか?を日々試している林です。


先日アジリティの会場に行ったんですが、あのような緊張感のある場面では犬はとても緊張するし興奮しています。

それを落ち着かせるか、より興奮させるかはおそらく人間の手にかかっているんだと思います。

アジリティをやっている人たちを見るとなんとなくですが「この人はうまく走れそう」って言うのがわかってきました。

と同時に「この人は難しいのかも・・・」って言うのもわかってきました。


その違いは・・・

飼い主さんが落ち着いているかどうか、堂々としているかどうか、自信を持って出走しているかどうか。

これに尽きます。


今診察中もそうですしその会場でも言われましたが
「犬を整えてください」
って言うのはよく言われるんです。

思えば今までの12年間の診察も全てそうだったかもしれません。

動物のここがおかしいから治してほしい。
悪いところがないか心配

みたいなことを言われ、私も「よし!悪いところを見つけて治してあげよう」などと、今思うと神様にでもなったかの如く、謎の使命感と自信を持ってやってきました。

もちろんそれで良くなった動物もいます。

でも全然変わらない動物もいる。

そして症状は消えているかもしれないけれど、薬は飲み続けなければいけない動物も多くいました。


それはそうなんですよね。

だってその症状だったり病だったりを治していたのは、そもそも私ではなく動物本人なんですから。

私ができることなんて検査をして薬を出すか手術をするか。

その後どうやって回復していくか、治っていくか、ととのっていくかに関しては全て動物任せ。


そしてその動物が普段生活しているのは家です。


人間だと病院に行った時に食生活とか運動とか仕事のストレスとか、そう言ったものが原因になるかもしれないから・・・って言う話されると思いますし、実感として誰もがなんとなく氣がついていることだと思います。

でも動物の医療になるとそう言う話って一切されず、なんでも薬、食べ物は病院食、みたいな感じになってしまっています。


ただ、もし人間と同様に周囲の環境や食事で病氣になったりととのって行ったりするのであれば、周囲の環境の大部分を占めるのは飼い主さんなんですよね。


私は極論「飼い主さんがすべての病氣の鍵を握っている」と思っています。


もちろん奇形なんかの先天的なものありますが、年齢を重ねてから出てくる病氣に関しては、もう全てに近いほど飼い主さんが関わっています。

どこに住んでいる
何を食べている
どれぐらい運動をしている

はもちろんですが

どれぐらいの頻度で病院に行き、検査をしている
薬をどれぐらい服用している
飼い主さんの機嫌はどうか
仕事は上手いこといっているのか
心配性になりすぎていないか・・・

こういったことも全て飼い主さんが関係していますよね。

特に下に書いた部分。

こう言うところってすっごく大事なんです。

病氣=病は氣から

もし逆だったらを考えてみるとわかりやすいと思います。

もしくは「自分が子供だったら、それをされた時どう思うのか?」


子供からすると普通に暮らしていて、ちょっと下痢をしたり吐いたりする。

そんな時にお母さんが「大変だ!!」って慌てて病院に担ぎ込む。

子供である自分は何が何だかわからないまま、具合の悪そうな人たちが待っているスペースに入り、診察室の扉が開くとそこにはマスクをして表情の読めない、なんとなく疲れている人がいて、少し話をした後に裏に連れて行かれて、レントゲンを撮ったりエコーを撮ったり採血をしたりする。

そして何種類も薬を出されて、美味しくないから吐き出したいのに無理やり口の中に押し込まれる。

それだけならまだいいですが、その後もお母さんは自分の身体なんて触ってもくれず、ずっとケータイを見ている。

何を見ているのかと思えば、なんだか病氣に関することを調べまくっていて、その表情は暗い、と言うかむしろ怖い。

そして「ママ遊ぼうよ〜」って言うと「今忙しい!!」って言われる。

でもちょっとしてもう一度ケータイを覗くと、そこにはSNSに挙げられている違う子供の映像が。

そこでお母さんが言うんです。

「この子元氣でいいな〜、それに比べてうちの子はお腹なんて壊して・・・」


単なる下痢でそこまで??ってなるかもしれませんが、それ以外の病氣も全部そうです。


こんなことを日々繰り返していたら、子供である自分はどうなるでしょう。

学校や習い事なんかで発散できればいいですよ。

でも犬や猫はずっと飼い主さんと一緒、つまり子供である自分もずっと家の中にいて、出かける時もずっとお母さんと一緒。

お母さんは大好き、だからこそ笑っていてほしい。

子供は自分が病氣なんて1ミリも思っていません。

ただうんちがゆるい
ただなんとなく吐いてしまった
ただ熱っぽい
ただ皮膚がかゆい

それだけなんです。

動物もそれだけなんです。


病氣を治しているのって、本人なんですよ。

医者も獣医もそれをお手伝いする係なんです。

お腹を下したのであれば食生活やストレス、あとはこの季節なら冷えていないかを見直す。

待っていれば治るんです。

ゆっくり休んで、安心させてあげたら治るんです。

そして元氣も食欲もあれば、余計にちゃんと、ととのっていくんです。

症状は身体からのサインです。

風邪だってゆっくり寝ていれば治ります。

怪我だって気がついたら勝手に治ってます。

もちろん救急疾患の場合は病院が必要ですが、それ以外は待っていれば治ることが多いんです。

薬は症状を抑えて、その間に身体が治ってくれるのを待つツールだと思っています。


でもその症状、身体がちゃんと理由を設けて出しているものなんで、何でもかんでも止めてもいいんでしょうか??

例えば食中毒なんかで下痢や嘔吐をしているときにそれを止めてしまったら、その悪いものは身体の中に居座ることになります。

そうなると・・・やばいですよね。

咳もくしゃみも熱も必要があって出ています。

膵炎も関節炎も腫瘍も糖尿病も、全て身体が氣がついて欲しくて出ています。


ならそれをまず見つめてあげることが大切。

それができるのは飼い主さんだけですし、動物を安心させて寄り添ってあげるのも飼い主さんだけです。


タイトル、全然関係なかったですねw
キャベツはどうした??

では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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