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食べるということ 〜なんかおかしくない?〜

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

ウォータースライダーで負傷した尾骶骨のところの皮膚がまだ痛んでいる林です。

やっとかさぶたになってきましたが、汗をかくと蒸れるので、あの位置の怪我はなかなか大変です😅


さて、みなさんお肉やお魚って自分で狩って食べていますよね??

みなさんの動物もそうですよね??


ん??


違う??



そこなんですよね、なんだか最近感じる違和感。


登山される方いらっしゃいますか?

登山をしていると「イノシシ注意」って看板よくみると思うんです。

イノシシに出会ったらみなさんどうされますか??

「よし、今日の晩御飯にしよう!!」って思う方、どれぐらいいらっしゃるでしょうか?


まぁほとんどいないと思います。


じゃあ「イノシシだ!!」って言って狩に行く犬たちはどれぐらいいますか?

おそらく猟犬だけだと思います。


ほとんどの方はイノシシを見ると怖いから後退りするんじゃないでしょうか?


じゃあ鹿はどうでしょうか

鹿は襲ってきませんよね。

なら簡単に狩ることができるでしょうか?

もちろん罠を使ったり銃を使ったりすればできると思いますが、それも大人なら、ですよね。

子供はなかなか狩れない。

そして犬に関していうと、元気な中型犬や大型犬は狩ることができるかもしれないですが、山を駆け巡るしかは結構なスピードです。

それを狩るためには日頃から運動をたくさんしている犬じゃないと無理だと思うんですよね。

じゃあ牛は?豚は?馬は??


ってなるとどうですか?

これらは家畜として飼われていますが、結構な体重があります。

どれぐらいの犬なら仕留められると思いますか??


そして魚。


魚に関しては難しいですが、例えば川なんかだとレトリーバー系だったり泳ぐのが得意な犬たちは捉えられると思います。

でもそんな犬たちであってもマグロみたいな大きな魚は無理ですよね。


猫もそう。


野生の猫は結構なんでも捕まえますし、自分より体の大きなものにもアタックします。

でもそんな子たちだってイノシシや鹿には行かないでしょうし、マグロみたいな大きさの魚は持って帰れない。


私は食べ物をいただくってことは命のやり取りをすることだと、最近強く感じているので、そう言った大きさだったり強さの関係だったりにすごい注目しているんです。


そうやって考えると、違和感満載なんです。


なぜ家の中にしかいない小型犬が、鹿肉や馬の肉、そして牛肉なんかを食べているのか?

なぜもう歳をとり、そろそろかもしれない子が、元気に野山を走っていた動物の肉が食べられるのか?


そんなことを言うと食べるものがなくなってくるのかもしれませんが、これは結構大切な考え方だと個人的には思っています。


なんかね、いろんな本を読んだりいろんな方の話を聞いたりしながら、そして自分の今までの経験も含めて、人間ってとっても失礼な生き物なんじゃないか?って思ってきたんです。


よくこう言う言葉、耳にしませんか??

「鹿肉や馬肉はヘルシーだけど、牛肉は・・・」

「ジビエは健康にいい」


そう、自分言っていました。


そしてそれが体調に合わないとこう言うんです。

「あのお肉は食べない方がいい」


いや、マジで失礼でした。

フードを選ぶときにも気軽に発してしまうこの言葉。


人間ってとっても残酷な生き物です。


だってその動物を山や動物園や牧場なんかで見れば可愛いといい、片一方ではただの栄養素としかみていないんだから。


なんかそう言うところから見直さないといけないところまで来てしまっているのかもしれません。

特にドライフードに関しては何が入っているのかなんてわからない形状になっています。

裏面に材料が書いてあるからやっとわかりますが、その文字からはどんな動物の命がそこに入っているのかなんて、想像すらできません。

完全に自然からは切り離された環境が、今目の前に繰り広げられているんです。


肉もそう。

家畜だったら交尾から始まり(人工授精の方が多いのかもしれないですが)お母さんのお腹で大きくなり、そして生まれ、それを育てるお母さんや人間がいて、出荷で運んでくる方がいて、そして屠殺場でその動物を殺して解体する方がいる。

それを卸に出して小売店で売られている方がいて、そして初めてあの形のお肉として私たちが目にする。


野生であればお母さんが命懸けで産んで育てて、やっとのことで独り立ちをしたあの可愛らしい鹿をとらえるハンターの方がいて、それが流通してきて我々が目にするお肉になる。


海のものだって全部そう。

必ずそこにはお母さんがいて、育ててくれる環境があり、そしてそれを摂って捌いてくれる方がいて、我々は食べ物にありつける。


これは植物もそう。

種から、もっと言うと種を取るところから全ては始まるんです。


お金を出したらなんでも手に入る、って言うんじゃないんです。

健康のためにこれが食べたい、って言う裏側には、実にさまざまな環境が取り囲んでいるんです。


ここを一度考えた方がいい、今の食べ物だったり自然を取り巻く環境を見ていると、本気でそう思うし、そうやって考えると「あれが身体に悪い」って言う発想ってどんどんなくなってくるんじゃないでしょうか?


多分それが「いただきます」の意味を考え、物事に感謝をするきっかけになってくるんです。


正直飲食店に行って出てくる料理だったり、スーパーで並んでいる食材に感謝しろって言われても、どこの誰が作ったのかもわからないし、そもそもどういう動物や植物だったのかもわからない。

そんな環境では感謝なんてできないです。


自然から離れれば離れるほど病気になっていきます。

何が自然なのか、もう一度、地球としての視点をもって考えてみてもいいのでは??って思いました〜


では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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