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人間は自然の一部

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

最近ほとんど家にいない林です。

屋久島や北海道を見たのちに往診をしながら思ったことがあったんで、ちょっと書きたいと思います。


自然豊かなところに行くと感性が磨かれるというのが正しいのか、なんというかわかりませんが、人間社会への違和感がやっぱり出てきてしまうんですよね。

まぁそれは屋久島に行く前からなんとなくは感じていましたが、この社会のなんとなくおかしなところがやっぱり目につくようになってきてしまうんですよねw


人間社会って「〜すべき」っていう概念多いですよね。

「〜したほうがいい」ってなんとなく勧めている風に見えても、実はその裏には「〜すべき」あるいは「〜してはいけない」みたいなものが含まれている感じがある。

・子供は勉強すべき
・自分の意見よりも人に合わせるべき
・大学はなるべく行くべき
・仕事はするべき、お金は稼ぐべき
・将来のために考えるべき

たくさんの決まりごとのような概念が、小さな時からあるような気がします。

それは幼稚園に行った時から急に始まってきますよね。


そしてこれは動物に対しても同じ。

私が今まで感じたことは

・病院で健康診断をすべき
・ワクチンは毎年打つべき
・何かあったら薬を飲むべき
・猫は外に出してはいけない
・動物は人間が保護すべき

もっと小さなことも含めると無数にありますよね。


でもね、屋久島や北海道なんかの自然を見ていると、そんな考えどうでも良くなるというか、むしろ逆なんじゃないかって思うこともあるんです。

自然っていうのは何にも頑張っていないように見える。

植物はただそこに存在し、青く茂っている時もあれば枯れて茶色くなっている時もある。

枯れた木の上にまた新しい生命が育まれている時もある。

北海道もそう。

冬になると雪が降り気温が下がり、そこにある生命はほとんどが終わった可能ように見えますが、春になると一気に緑が広がり虫も出てきて、本州よりも豊かな、多様性のある森が現れる。

そしてまた秋から冬になると植物も動物も姿を見せなくなっていくが、春になるとまた戻ってくる。

そういった循環が自然っていうのは実に美しく表現されているんですよね。


でもそこには植物や動物たちの「〜すべき」っていう感覚ってありますかね?

もちろん種を絶やさないように、っていう思いはどこかには必ずあると思いますが、そのために必死に自分を犠牲にしてまで、この人間界のように振る舞っている生物ってあんまり、というか全くいない気がします。

人間は朝起きてからずっと何かに追われているかのように、何かの目的を持って動き続けています。

朝起きてご飯を食べ家を出るのは全て学校や仕事に行くためであり、学校に行って勉強するのはそれ自体が楽しいからではなく将来のため。

そして仕事についてももっといいポジションを取るために頑張り、もっとお金を稼いでいい生活をするために頑張る。

そのうち老後の心配をしだし、子供も産まれて子供の心配もしながら、そして親の心配もする。

そうやっているうちにやりたかったことや行きたかったところに行くのも将来への後回しにして、いざ時間ができた時には身体が動かないからと何もできなくなる。


結局将来のために動いているとそうなっていってしまうような気がしています。


自然を見ていると「〜すべき」なんて堅苦しい感じは一切受けません。

むしろ「しなくても良い」っていう空気感が漂っているんです。


誰も急いでいないし、誰も忙しそうにしていない。

植物はマイペースに、あっちこっちに向きを変えながら伸び、動物は一直線には絶対に進みません。

鳥なんてなんの目的もないかの如く、その辺をぐるぐる回っていたりします。

それでも緑は維持され、種は受け継がれ、そして食べるものも無くなりません。


人間が介入せず自然に任せていると全てうまく行くんでしょうねw


動物医療って「〜すべき」が多い気がしますが、自然に任せて「〜しなくても良い」ぐらいに考えていると結構うまく行く気がしています。

下痢は止めなくてもいいんだろうし、痒みも止めなくても良い。

もちろんそれが苦しみにつながるのであれば止めてもいいと思うんですが、今の飼い主さんたちが思っている「〜しなくちゃ」っていう思考は少なくとも動物たちは持っていないと思うんです。


動物は全てを受け入れるので、何を選んでも大丈夫ですが、人間が動物を飼育しているからしっかり管理しなければいけない、っていう方向性は少し改めてもいいのかもしれないです。

人間は動物を飼うという経験から、動物から大切なことを教えてもらっている。

って考えるとむしろ「そういう大切なことを学ぶために飼わさせていただいている」ぐらいな感じですよね😅

子育ても一緒で、子供の方がはるかに色々わかっていますし大人です。

親なんて子供から教わることばかり。

だから子供のやることもまずは受け入れて、大人の常識を押し付けずに、見守ってあげることも必要だと思います。

子供は令和を生きていく能力を持っています。

今の大人は昭和や平成の概念は持っていますが、この変化の大きい令和を生き抜く方法は知らないんです。

それを子供から教わっている、そう考えてみると子供ってすごくいろんなことを教えてくれているような気がするんですよね。


ってことでそんなことをラジオでも話していますので、聞いてみてください〜
https://podcasters.spotify.com/pod/show/ky619/episodes/12-e2mqmje


では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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