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自分を褒めてあげてください

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

今日は朝から山登りをして、多分20km以上歩いてヘロヘロになっている林です。

どこに行ったかはまた後日。


先日とある整体師さんに施術していただいた時のお話です。

私は左首から肩、そして腰も結構ガチガチなんですよね。

学生の頃には肩こりなんてなかったのですが、仕事をし始めてから肩こりが出るようになり、だんだんひどくなっていきました。

特に手術の前になると信じられないくらい肩が重たくなることもあったし、手先が痺れることもあったんです。

これは割と仕事を始めてからすぐに現れて、現在まで続いています。

診察をしている時の姿勢だったり運動不足だったりなんかもあるのかな、って思っていたんですが、どうやら手術をする時が一番しんどかったんですよね。


で、そう言う話なんかを整体を受けながらしていたんです。

そうしたらその方が
「これは過去の何かだね」
っておっしゃったんです。

過去のトラウマじゃないけど、そう言うものにそれが引っ張られているみたい。

そのときはそれがなんなのかわかりませんでした。


でもこのブログを書く少し前にそれがなんとなくわかったんですよね。


多分手術で亡くしてしまった子のことが、ずっと私の中にあるんだと思います。

というか、手術をする時や麻酔をかけるときに絶対に思い出している自分がいました。


多分その子を手術したのは働き始めて丸1年ぐらいがたった頃だったと思います。

ちょうど手術も行い始め、だんだん慣れていった頃。

その子は猫で、去勢手術をしたんです。

ただ猫には珍しく、潜在睾丸で、確かお腹の中にもう一つあったんだと思います。

だから時間が普段の去勢手術よりもかかってしまいました。


無事手術が終わり、自分で呼吸が出たのを確認し気管チューブを抜きました。

割としっかりと呼吸していたので、安心というか、今思えば油断していたんだと思います。


呼吸が止まってしまったんですよね。

実際気管チューブを抜いた後に呼吸が止まることはたまにある。

でもその子に限ってはそのときに心臓も止まってしまっていたんです。

何が起きているのかがよくわからず人工呼吸器に繋ぎ、心臓マッサージを行いました。

でも戻らなかったんです。


後にも先にも私が担当した患者さんで麻酔や手術で亡くなったのはこの子だけです。

救急時代も含めてもっと体調の悪い子だったり高齢の子だったりに麻酔をかけて手術をしたことはいくらでもありますが、術中に亡くなった子はいません。

その子だけなんです。

今でも原因はわからないです。

麻酔で亡くなる確率は約0.05%ぐらいです。

薬が合わないこともあるし手技がダメなこともある。

その子の体質もあるし生命力の問題もある。

でも死なせてしまったことは事実なんですよね。


多分それがずっと残っているんです。

だから私は他の人の麻酔とか手術の時には結構厳しめに注意をしたり助言をしたりしていました。

あの想いをもうさせたくなくて。


今思うとだから手術になると身体が硬くなるんだと思います。

当然忘れてはいけないことなんですが、もしかしたらそれが自分を縛っているのかな、って今感じているんです。


で、整体の話に戻しますね。

その時に言われた一言があるんです。


「自分をもっと褒めてあげてください」って。


全て見透かされていましたね。

さすが身体のプロです。


私は獣医師として働き始めてから、多分自分を褒めたことなんてありません。

助かっても助からなくても、治っても治らなくても、多分ずっと自分に対して「もっといい方法はないのか?」って言い続けていたんだと思います。

なんか獣医師というか医療関係者って、そうやって常にいい方法を模索していくべき、って思っていたんですよね。

だから争いも絶えませんでした。

ちょっと手を抜いていたり、自分として違っていると思うと、めちゃくちゃ戦っていたんですよね。


でもね、今思い返すと、私のことを褒めてなかったのって、もしかしたら自分だけなのかもしれないんですよ。

まぁ全員ではないですが、1年目から夜間の電話番をしていた頃、東京の病院時代、救急時代、そして八王子で院長をやっていた時。

結構いろんな飼い主さんから「ありがとう」を言われてきたなって思うんです。

あとは同僚の先生たちや院長たちも、結構お礼だったり褒めてくれたりしていたんですよね。

それを素直に受け取れなかった。

そんなんで褒められるって・・・

って思っていたんです。

多分それが身体には出てしまっているんだと思ったんですよね。


もちろん過去に起こしてしまったことは変わりませんし、反省をしています。

でも今考えるとそのこがなくなっていこう、自分の麻酔技術はどんどん上がっていったと思うんです。

その子がいたから今の自分があるんです。

だからちょっと気を緩めて、自分を褒めてあげようと思いました。


だって12年間、ずっと働きっぱなしだったんでね。


「最近こいつ遊んでてめっちゃ日焼けしてるな〜」って思われている方も多いと思います😅

でも許してください🙏

今まで夜間の電話番だったりとか救急病院だったりとか院長してたりとかで、海外旅行なんて選択肢はなかったし、休みの日も病院に行ったりもしていたので家族の予定もなかなか組めなかったし、一人旅もできなかった。 

そして奥さんが帝王切開になる、って電話を受ける間際まで働いていて、産婦人科に着いたらもう手術が終わっていた。

なんか今考えると、ちょっと人間としておかしな働き方をしていたのかもしれません。

でもちょっと余裕ができてくるとブログも書けるしラジオも録れる。

いや、それ以上に自分の身体に気をつけるようになり、薬じゃなくて病気ってどうやったら整うのか、っていう目線にもなれた。


そうやって少しずつリハビリをしている最中なんです。


だからもうしばらく見守りください🙏


では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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