ブログ

やり方じゃなくて、ものの見方を変えてみる

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

昨日往診先でたこ焼きをご馳走になったのですが、見事に2個犬に食べられてしまった林です。

美味しかったんでしょうねw

ちなみにそこの犬は昨年チョコレートのかかったドーナツを3つ食べました😅

それで飼い主さんはパニックになって連絡してくれたんですが「美味しかったんですね〜」って言ったら拍子抜けしていましたw

そのままご飯抜いて様子見てね、って言ったら何回か吐いてあとはケロッとしていたとのこと。

チョコレート中毒って誰しもが知っていますが、ちょこっとミルクチョコ(笑)がかかったぐらいではならないと思います。

というかビターチョコをたくさん食べないとならないっていう認識です。

当然何に対しても過敏な子がいますので、ちょっとで中毒になってしまう可能性もありますが、それは人間も同じ。


ちなみに私は夜間救急も24時間の救急でもチョコレートを食べた子を見た事がありますが、中毒みたいな症状は一度も見た事がありません。

大体は自分で吐き出します。

結構な量を吐きます。

そして吐かなかったとしても中毒って見た事がないんです。

例えば小型犬でカカオたっぷりのビターチョコを食べてしまったら中毒になるかもしれないですが、そんな苦いのをいっぱい食べる子ってあんまりいないと思うんですよね。

中毒量はネットにも載っていますので、どうか焦らず調べてみてください。


さて、とは言ってもネットの情報って何が正しいのかわかりませんよね??

私もわからないですw

だから基本的にはネットで情報は拾わないようにしており、本か信頼できる人からの情報を信じてやっております。

患者さんの中にも色々調べている方が多いですが、大体の方はネットの情報に飲まれてしまい、逆に調べない方がいいんじゃない?ぐらい心配になっている人がいます。

というかほとんどの人がそうです。


ネットの情報って不安なことばかり書いていますよね。

ちょっと下痢をしたりはいたりして調べると、あんまり心配ないです、っていう記事から始まりますが、その後「最悪の場合は・・・」みたいな項目出てきますよね?

そういうのって情報としては少しですし、可能性としてもほとんどありませんが、大体の場合は最悪のケースが載っています。

これってある意味しょうがないんです。

例えば「チョコレートは少しぐらいなら食べても大丈夫!!!」って書いたとします。

確かに大丈夫な子が多いですし、私は12年間中毒を見た事がないので「そんなもの本当にあるのかな??」とも思っています。

でも中にはカカオに過敏な子もいるでしょうし、チョコレートには香料だったりミルクだったり、それ以外にもいろんな添加物も入っていたりします。

だからカカオに反応しなくても、つまりチョコレートの中毒じゃなくても他のものに対する何かしらの反応が出る子だっているかもしれない。


そうなった時に「大丈夫って書いてあったじゃないか!!」ってなるのを回避するために最悪のケースって書いてあるんだと思います。

誰が見ているかわかりませんからね。


逆に信頼できる方であれば「大体の場合は大丈夫だよ」って気軽に言えるかもしれません。

ネットってそういうものです。


だから病気のことをこのブログでは書きません。

実際に犬を診て飼い主さんの話を聞かないとわからないことなんてたくさんあります。

それを抜きにして「この病気はこういう症状が出て、こういう検査をして、こういう治療をする」なんて書けないと思っています。


だからこそ、まずは自分が正しいと思った情報、知識を得る事が大切なんです。

このブログに書いてあること、そして私が診察で話をしていることって、あんまり他の人は言っていないかもしれません。

最近畑の本を読んでいる時にその理由がなんとなくわかったんです。

「見方を変える」

視点が違うんだと思います。


3年ぐらい前までは
「病気ってどうやったら治るんだろうか?」
「この症状ってどうやったら落ち着くんだろうか?」
「この数値ってどうやったら正常になるんだろうか?」
「治療がうまくいかないのってやり方が悪かったり、自分の腕が悪いからなのかな?」

こう思っていました。

そうやって考えながらも気がついていたのが「病気が減らない」ってこと。


救急病院で次々やってくる病気の子を見ていて「昔より治りにくい病気多くないかな?」って漠然と考えていたんです。

そして今の治療スタイルにしようと思った一番の理由が心臓外科でした。

心臓の病気で一番多いのが「僧帽弁閉鎖不全症」というもので、心臓の弁の締まりが悪くなり血液が逆流してうまく流れず、心臓に負担をかけるもの。

チワワなんかの小型犬に多いですが原因はわかっていない、って言われます。

心臓は悪くなったら治ることはなく、薬を一生飲み続ける。

これって皆さんが知っている「常識」ってやつですよね。

最近では心臓の弁を形成する手術を行なっているところも多くなりました。

手術をすれば薬を飲まなくてもいい。

手術は高額ですが受ける患者さんはとても多くなっていると思います。


実際に私がいた施設でも手術を行なっていました。

自分の子が担当になることもありました。

手術って心臓を数時間止めて、行うんです。

その間は体外循環器に繋いでいますので血液のガス交換はできますので、心臓は止まっていますが身体の中は血液が巡っている状態です。


その手術に立ち会った時思ってしまったんです。

心臓を薬で止めるんですが、その時に思ってしまったんです。


「これって、人間がやってしまっていいことなのかな」って。


もちろんそれで助かる子がいるのも事実です。

それで感謝をされているのも事実です。

でも人間の手で心臓を止めていることに関して、実際にそれを目の前で見てしまった時に猛烈な違和感を感じてしまったんです。

その時ですかね。

「もうここにはいられないな」

って思ってしまいました。


ちょっと話がそれましたが、心臓外科って成功率は100%ではありません。

輸血をし、心臓を止め、心臓の中に異物を入れ弁を形成し、心拍を再開し、さまざまな反応が出ないようにさまざまな薬を使う。

1割〜2割ぐらい亡くなる子はいます。

その時に
・どうやったらうまく手術ができ、術後の管理ができるようにするのか
を考えるのか、
・どうやったら心臓外科にならない子を増やすか、つまり重症にならないようにするか?
・どうやったら心臓疾患にならない子を増やすか?
=なんで心臓疾患になるんだろう???

っていう考え方をしてみたんです。

やり方を変えるんではなく、見方、つまり視点を変えたんでしょうね。


その時思ったのが、歯周病の子は心内膜炎になりやすいってこと。

歯周病菌が心臓の弁にくっついてそこで増殖したりすることで心臓の弁の動きが悪くなる。

歯周病があると心臓が悪くなるっていうのはみんな知っています。


歯周病菌って血液に乗ってどこにでも行きます。

腸、胆嚢、膀胱、時には腎臓だったり脊椎だったり、そして脳だったり・・・

それが毎回通る心臓にはやっぱり負担がかかるんです。


ってことは心臓病にならないようにするのには、血液をきれいにする事が大切なんじゃないか??


ってことで食事の大切さに気がついたんです。


これ、どうやったら病気が治るのか?だけにフォーカスしていたら多分気がつきませんでした。

でも血液をきれいにする=腸をきれいにするってことを気にした瞬間に、他のさまざまな病気にも対応できるんじゃないか、ってことにも気がついたんです。


そういう視点の切り替えってこれからどんどん大切になってくると思うんです。


「今までこうしていたから」

それでうまくいっているならいいと思います。

でもなんか違う、っていう違和感がもしあるとしたら見直すチャンスですよ。

視点を変えて、視点を大きく変えて「昔の人がこれをみたらなんて思うかな?」とか「未来の、自分の孫やひ孫世代がこれをみたらどうツッコむのかな?」って視点で見るとおかしなことっていっぱいあると思うんですよね。

それがこれからの時代を生きる上で必要なものなのかな〜って漠然と考えてこのブログを書いています👍


では🤗

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

おすすめの記事
こんな記事も読まれています
記事URLをコピーしました