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動物の保護をするということ

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

最近「健康は腸から」って言うワードが盛んに言われていますが、動物の腸をととのえる前に自分の腸を整えねば、と思いながらやっぱりお酒はやめられない林です。

一昨日も元同僚の方と飲みに行き、結局4時間ぐらい飲んでしまいました😅

#反省力0です


さて、昨日知り合いとご飯を食べていてある話題になったんです。

それが「動物の保護について」

その方は昔から動物保護に興味があり、アメリカでボランティアをしたり実際に自分でも猫の里親をしたりしています。

そんな彼女と意見が食い違う部分があったんですよね。

それは

「外にいる猫をどうするか?」って言う問題。


みなさんご存知か分かりませんが、犬の殺処分はだいぶ減っている自治体が多いんです。

静岡市は殺処分は結構前から0になっていて、他の自治体も数は減っています。

野良犬って見ないですよね?

迷子になったり飼育できなくなる犬はいますが、数はそんなに多くないので飼い主が見つかることが多いんですって。


一方の猫はまだまだ殺処分が続いているのが現状です。

静岡市は数はだいぶ減りましたが、弱っている子なんかは残念ながら殺処分になるとのことでした。

もちろん誰だって動物を殺したくないと思います。

市の職員さんだって嫌だと言っていました。

それは当たり前です。


なので各自治体ともに猫の避妊去勢に補助金を出して、これ以上猫が増えないようにしているのが現状です。

保護団体さんも猫の避妊去勢活動をしているところも多く、外にいる猫はほとんど見なくなりました。

東京なんか全く見ません。

逆に猫を外に出すと「けしからん」みたいな風潮もあります。


それで昨日話題になったのが「外にいる猫の避妊去勢」について。

猫を捕まえたら避妊去勢してくれるか?って聞かれたんで「それはやりたくない」って答えたんです。

正直そう言う猫たちの避妊去勢は今後もやるつもりはありません。


なぜか??


拉致に近いからです。

相手の猫からしたら恐怖でいっぱいだからです。

俺が逆の立場なら嫌だからです。

ただそれだけです。


みなさん見たことがあるでしょうか?

野良猫と言われている外にいる猫たちの避妊去勢の時の表情を。

あの恐怖に怯えた表情を俺は見たくないんですよね。

そしてそう言う猫たちの避妊去勢って基本的に飼い主さんのいる猫よりも「作業」に近い感じになってしまいます。

正直お金もそんなにかけられないので材料も違ったりします。


「逆の立場ならどうか?」ってことを考え、「やられたくないならやらない」って思いながら仕事をしているので、やりたくないって答えたんですよね。


でもそうすると猫は増えて殺処分される・・・

ではなぜ殺処分をしなければいけないんでしょうか?


それは完全に人間の都合です。

猫は何万年も前から外にいました。

普通に外にいて人間のいるエリアにも暮らしていたんだと思います。

それがこの数十年変わったんですよね。

人間の暮らしやすい世の中にするため動物が外にいると不都合になったんですよね。

糞尿の問題、ご飯の問題、動物と暮らしていくってことは色々問題が出てきます。

動物は人間の思う通りには動いてくれないですからね。

と言うか人間ですら人間の思い通りには動かない。

殺処分は猫に限りません。

カラスもされています。

鹿や熊もされていますよね。

そしてネズミや虫に関しては「殺鼠剤」「殺虫剤」とった、殺すためだけに作られた薬が普通に売られています。

それだけじゃない。

「除草剤」は植物やそこにいる微生物を殺します。
つまり地球そのものを殺しているってこと。

様々な農薬も微生物や虫たちを殺しています。


我々は忘れているんですよ。

畑に行くと分かります。

微生物がいるから、菌やカビ、ウイルスがいるから土の環境が保たれ、虫がいるから土がほぐれたり花粉を運んだりしてくれる。

鳥がいるから果物や野菜の種が遠くに運ばれる。

そして様々な動物がいて糞をしたり死んだりするから土がどんどん豊かになっていく。

そしてその環境が正常に保てていれば、微生物は虫に食われ、虫は鳥や小動物に食われ、小動物は猫やたぬきなんかに食われ・・・

そう言う食物連鎖っていうのができて自然は保たれるんです。

こんなもんは小学生でも知っています。

小学生の方が大人なんかよりよっぽど環境に優しいですよ。


だから殺処分0ももちろん大切です。

みんなそれはわかっています。

でもそう言いながら歩いたり自転車で行ける距離を車で移動したり、ひたすら土のある環境をなくして行ったり、人間にとっての都合のいい環境を求め続けている現状がなんか違和感なんです。


私は犬は保護した方がいいと思っています。

でもそれは野良犬ではなくブリーダーのところにいるまともにケアをしてもらえていない、いわゆる「飼育放棄」みたいな子に関して。

そういう犬たちは人間が作り上げた環境で生まれ育った子達です。

そういう子たちは人間が面倒を見る必要があると思います。


でも今外で自由にしている犬猫、特に猫に関してはその環境を奪うことに関しては抵抗があるんですよね。

自分だったら嫌なんですよ、あの捕獲機で見知らぬ奴に捕まえられ手術をされ、そして外に出られずに暮らすことが・・・

例えば人に慣れている子猫や家に来て慣れている子をやるんだったらいいですよ。

でもやっぱりあの病院に連れてこられた時の顔を見ると、気が引けちゃうんですよね。


だから今考えているんです。

だから今考え直しているんですよね。


人間は地球環境や動物を支配する存在ではなく、人間も地球や動物と同等の立場、自然の中の一部だっていう認識を持った方がいいと。

その観点を持つと「保護」っていう言葉もなんとなく違和感になってくるんです。

多分自然の中の一部、っていう認識が強くなっていくと、保護っていう概念がなくなるんだと思います。

だって自分の住んでいる家をととのえるのは当たり前ですよね?

家を「保護」するって言わないはず。

そういう感覚になってくるのかなと。


じゃあ私はどうしたらいいんでしょうか😅


だから保護活動をしている人の意見を聞きたいし、自分の意見も伝えたいって思ったんですよね。

そしてこうやって考え方を書いているんでしょうね。


殺処分0はあくまで通過点というか、人間だけの都合にならないで動物たちの都合も考えたらそういう方法は取らないと思うんです。

今までは自然を破壊して自分たちの快楽を求める時代でした。

でもこれからは自然と共生して、自分たちをそこに合わせていき、そして快適な暮らしをしていく時代なんだと思います。


では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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