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また余計なことを言ってしまった・・・

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

テレビのニュースって暗い話題しかないし、バラエティも欲を掻き立てるものが多く、本当にテレビってなくてもいいな〜って思っている林です。

#雪、騒ぎ過ぎでしょ


さて、昨日はご近所の方がお味噌を作るというので「それは行かなければ!!」ってことで飛んで行ってきました。

お味噌は昨年自分で作ってみたんですが・・・

全然美味しくなかった・・・

多分発酵が足りなかったんですよね。

一人で作っているのでよくわかりませんでした。

ってことで味噌づくり、というか何でも作ってしまうベテラン主婦の方の元へ👍

#お味噌作る人って梅干しも作りがち


まぜまぜコネコネしているときは写真を撮っている余裕などなかったので、入れ物に詰めた後の写真しかありません😅

何と完成は10ヶ月後w

待ちます👍


さて、先日骨折後初めて車で東京に往診に行きました。

そこで骨折中に亡くなってしまったこのお家にお邪魔したんですよね。

猫ちゃんで自分では食べられなくなり、でもご飯や流動食をあげると食べてくれるので、それで頑張っていた子です。

それでも自分で食べれなくなって1ヶ月ぐらいが経った頃でしょうか?

その子はその2年ぐらい前に体調を崩し、戻っては崩れを繰り返していたんです。

八王子にいた時の病院で診察し、その後も往診を行なっていたんです。

昨年の秋ぐらいからまたぐっと体調が悪くなり、年齢ももうすぐ17歳。

いい歳ですし2年間の体調の浮き沈みは、猫にとっては結構長い。

もういいんでは?って思っていました。

飼い主さんも猫もよく頑張っているから、もう頑張らなくてもいいんじゃないかな、と。


私は自分で食べる意思がなくなった子に関しては、あとは自然に任せたほうがいいと思っています。

食べさせてあげて食べるんだったらあげてもいいですが、イヤイヤの中食べさせるのは反対です。


んで、猫ちゃんが亡くなった後にその飼い主さんに言われたことがあるんです。

それは飼い主さんにとっては俺が話した内容の中で一番心に残っていることだったみたい。


「〜さん、〇〇ちゃん死なないと思っているでしょ?」


そういう感じのことを言ったことは覚えています。

これ、ここだけ抜き出すと結構失礼なことを言っていますね。

多分人によっては弱っている子を目の前にして、必死に看病している時にこんなことを言われたらキレると思います。

でも言ってしまったんですよね。


もうね、飼い主さんも猫ちゃんも、お互いにいっぱいな感じがしたんです。

食べたり食べなかったりを2年間繰り返し、病院に行けばあれが悪これが悪いと言われ、検査や投薬、そして私が八王子からいなくなったあとは往診で間に合わない時に違う病院を紹介され、そこで薬を変えてまた体調が悪くなって・・・

猫にとっては全く楽しそうじゃない生活を送っているように見えたんです。

そして飼い主さんも猫にすがって、この子を何とか長生きさせたい、っていう想いがとっても重たかったんです。


だから言ってしまったんです。


でもこの飼い主さんはそれが心に刺さったって言ってくれました。

その後1〜2ヶ月で亡くなってしまったんですが、色々と治療をやめていった後の方がLINEの文面も穏やかで、亡くなった時も動じなかったとのことでした。


人間誰もが自分はまだまだ生きると思っています。

自分の家族もまだ生きると思っているし、自分の子供は自分よりも長く生きると思っている。

普通に大人になると思っています。

そして自分が飼っている動物も明日死なないと思っているし、もっというと15歳、猫だったら20歳まで生きると思っている。

本当の意味で「死ぬ」っていうことを理解できていません。

もちろん私もそうです。


もし本当の意味で「いつ死ぬかわからない」ってことを理解できているようであれば、目の前の人にイライラする時間なんてありませんし、子供や家族が話しかけてきてくれている時に携帯をいじっていることもありません。

犬猫が遊びにきてくれている時に邪魔そうにすることもないでしょう。

そして自分がやりたいことを我慢していることもないはずです。


私は動物の死には何度も立ち会ってきました。

だから動物のことに対しては言えることはありますが、人間の死に際に接したのは一度だけ。

だからまだまだ「死」は特別なものです。

今の世の中は「死」はいけないもので、何となく避けたいもの、っていう雰囲気が漂っています。

もちろん死んだら悲しいですが、「死」はごくごく当たり前に目の前にあることなんです。

我々が食べているものは必ず生きていました。

自然も生まれて死んでを繰り返します。

人間が、人間の飼っている動物だけの死が特別なわけではないんです。


「いつか死ぬ、そしていつ死ぬかわからない」

これを本当の意味で理解できると動物が嫌がっているのに最後まで病院に連れていったり、薬を嫌々飲ませることってどうなのかなって考えると思うんです。

それが良いか悪いかは個人の自由です。

私はそういう治療はしたくないし、歳をとってまで管理された生活は嫌いなんで、高齢の子には無理に治療は進めないですし、食べたいものはあげてくださいって伝えています。

でも1日でも長く生きてほしい、っていう方もいる。

どっちでもいいんです。

でも「明日死ぬ」かもしれないなら、命が今日しかないのなら、何をしてあげたいか、っていうのを考える時間を作ってもいいと思うんです。


最期を満足して迎えるために、一度立ち止まる時間も大切なんだと思います。


では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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