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動物の整体師に俺はなる!!

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

鎖骨骨折生活33日目。

この突然始まった「鎖骨骨折日記」をどこまで続けようかな〜って思っている林です。

でも考えてみれば鎖骨を骨折してその後の経過を毎日綴っている獣医なんて多分他にいないので、大型犬を一人で抱っこできるまで、もしくは農作業が完璧にできるまでは続けていこうかなと思っていますので、辛抱して見ていていただけると幸いです🤲


一昨日と昨日はなんかタイミングに恵まれた2日間でした。

なんか突然舞い込んでくるものがあるってことは、流れに乗っているってことらしいので、運がいいってこと。

#そういえば先週💩踏んだわ

運がくっついています👍


さて、いきなりワンピースみたいな感じで始まりました、昨日ふと思ったんです。

Facebookには書いたんですが、今回自分の骨折を通して
・治るとは
・治療とは
っていう、獣医師というか医療系の仕事をしている人間にとって根本的な疑問が湧いてきたんですよね。

一体みんなは何を持って「治った」と言い、我々は「治療」をしてどうなることが目的なのか??


みなさんはどう考えますか??


治るってすごい難しい定義なんですよね。

例えば風邪。

風邪をひいて治ったことのある人は大勢いると思います、っていうかみんな経験していると思うんです。

じゃあその「治った」の定義ってなんですか?

どうなったら「治った」なのかを考えた時、今までなら風邪の症状が落ち着いた状態、つまり熱も下がり咳や鼻水が止まったら「治った」ってことなんだと思っていました。

でもその定義って個人個人で違いますよね??

多くは上に書いたような感じだと思いますが、咳は残ったりもします。

じゃあその場合身体は元気なのに風邪は治っていないのか?って言われるとなんか違う。

また別の人は「熱が出るってことはこの後免疫力が上がる、ってことは風邪は治った!」と言って熱が出ている途中からもう治ったことを確信している場合もある。
↑私はこれw

また別の人は熱も下がって症状もないんだけど「なんかおかしいんだよね」って言って全然違う症状も風邪と結びつける。

どうですか?

治ったの定義って、めちゃくちゃ曖昧。


今回の骨折でさらにそう思ったんです。

「骨折が治った」ってどういう状態かっていうと、今までは
「骨がしっかりとくっついた」状態を治ったって言っていました。

獣医療の話ですが、骨折をプレートで固定して、数週間ずつレントゲンを撮って、だいたい3ヶ月ぐらいで骨ができてきたら「治った」と言っていました。

でも自分が骨折をしてすごいこの定義って曖昧だな〜って思ったんです。

まず手術をしていない。

その時点で骨は真っ直ぐにはくっつきません。

そうなると今までの「治った」の定義は使えなくなる・・・

ってことでいろんな「治った」を考えたんです。

・手術をして骨が真っ直ぐになってくっついた。
・手術をしなかったけど骨が真っ直ぐに近づいてくっついた。
・手術をしなかったし骨も曲がったけどくっついて、動かすのには何も問題がない。
・手術せず骨もなんとなくくっついていない・・・でも普通に動かせる。

どれも日常生活に支障のないぐらいに動かせたら、どれも「治った」って言わないですか??

なんならくっついているかどうか、曲がっているかどうかなんてレントゲンを撮らないとわかりませんが、しっかり動くかどうかはレントゲンを撮ってもわかりません。

もし手術をして骨がまっすぐくっついたとしても、合併症なんかで筋肉を損傷したり、腕が思った通りに動かなければ、それは「治った」って言えるんでしょうか?

その後のQOLが落ちたら、真っ直ぐであっても曲がっていてもあんまり関係ない。

そしてその後のQOLが問題なければ、別に解剖学的に完璧な位置になくてもそれも問題ない。


そしてもう一つ。

治療をしていくと「なんか以前と違うんだよな〜」ってなる時ありますよね。

でも日常生活は問題ない。

でもそれって割と当たり前といえば当たり前で、生き物は常に変化していくものなので、「元通り」っていう概念がそもそもおかしいんですよね。

「元通り」を追い続けるとできていないことにばっかり注目してしまいます。

それって頭(意識)がやっていることですが、実際に動いているのは身体です。

頭は過去へも未来へも一瞬で行けますが、身体は「今」しかなく、実際に今動いているのは身体です。

だったら「元通り」っていう概念は捨てて、今動いている身体でできることを考えて行った方が「治った」に近づくんだろうし、その動きが今後の人生に必要なんだったら動けるようになってくると思うんですよね。


ってことでなんか自分にしっくりくる言葉ってないかな〜って思ったら、あったんです。


整う

ととのう。

これですよ。


骨がくっついてもくっつかなくても、動かせるんだったら身体はその状況を受けて整ってきたってことですし、風邪の症状が治っていても「なんかここが・・・」って言っている人は整ってないんだと思います。

そして「整う」って思うようにしたら「元通り」っていう概念もなくなってきます。

「整う」って「今」なんですよね。

整った状態っていうのは、多分「常に今」なんですよね。

意識ではなく身体の方を向いている。

その身体に合わせつ少しずつ自分のできることを丁寧にやっていくと、また次の「整った状態」がやってきて、思った通りに身体が動かせたりしていくんだと思います。


ってことで冒頭にあったタイトルになってしまったんです😅


野口整体の野口さんはこんなことを本に書いていました。

「風邪は治すものではなく、経過するもの」

その通りだと思います。

風邪って早く治そうとして色々やると、なかなか治らない。

薬なんて飲んでしまうと、頑張って身体が熱を出したり鼻水を出したりしてデトックスしようとしているのを止めてしまいます。

治りが悪くなるのも当然です。

そんなことをせずにゆっくり寝ていればいいんです。

子供なんて熱が出ても数日しっかり寝ていれば、なんだかより元気になって復活してきませんか?

それは治したんではなく、ただただ無理をせず休んで経過しただけ。

そうすると元通りになったのではなく「整った」状態で元気になってくる。


整体ってそういうところまで見ているんだと思います。

だから怪しい・・・ともいう人もいるんでしょうが😅


ってことでパソコンも打てるようになり運転もできるようになり、鎖骨を骨折してもだんだん整ってきております。

あっ、寝返りも打てる。


では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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