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頻尿が何もせずに治った

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

夜にカレーを食べたくなかったんで肉じゃがを作ったら「あのカレーみたいなのもう1回作って」って言われて、2日連続で肉じゃがを作った林です。

肉じゃがとカレーってほとんど材料が同じですし、なんならカレールーを入れて溶かすって言うプロセスがないので、肉じゃがの方が作りやすいと思う今日この頃です。

#カレーはものによってもたれる歳になりました


さて、先日往診でお邪魔したおうちの子について、今日はお話ししたいと思います。

その子は数年前から頻尿があったり尿検査をすると結晶(結石)が出たりする子です。

私が診初めて1年ぐらい経ちますが、その少し前から頻尿というか尿漏れというか、気がついたらお漏らしをしていることも多々あったらしいんです。

その方は色々食事にも生活にも気をつけていらっしゃる方で、元々食べていたご飯も割とグレードの高いもの。

そしてそれに手作りを混ぜていたりしていました。

でも結石が出たとのことで、ドライフードを療法食に変えるよう指示されて、トッピングもなしで数年間あげていたとのことでした。

その間定期的に尿検査や膀胱のエコーを当てたり、頻尿になると抗生剤を飲んだりサプリを飲んだりしていたみたいです。

また混合ワクチンにアレルギーがあるようでしたが、アレルギーが出ないように注射を前もって打ち、そしてワクチンを打つ、ってことを毎年のように繰り返していたとのことでした。


私が最初に見た時、本人は元気も食欲もありました。

膀胱のエコーも当てましたが大きな結石もなく、多少膀胱の粘膜の壁がガタガタしているぐらいで、特に目立った異変はありませんでした。


で、色々話をしているうちに気がついたことがたくさんあったんです。

まずご飯。

膀胱結石用のご飯を何年も続けているとのことでしたが、実際にその当時石はありませんでした。

またそのご飯を続けていても尿検査をすると結石が出て来たこともあったみたいです。

そこでお話ししました。

「今石は出ていないし、それを食べてても出たってことは、食べる意味あんまりないんじゃないの?」

そうすると

「私もこのメーカーのフード、あんまりあげたくない」

との返答が。


ここがまず一つ目の問題。

動物病院では何か症状があるとそれようの療法食を勧める傾向があります。

でも残念ながらその中身を見ると、同じような金額で売られている一般食に比べ、小麦やとうもろこしが多いものが多いんですよね。

そして酸化した臭いのものも結構あったりします。


最近は療法食でも遺伝子組み換え不使用のものがあったりグレインフリーのものがあったりもしていますがそれはマイナーで、ほとんどのものには穀物が多く含まれています。

食事にこだわっている方が多くなって来ていますので、飼い主さんもこの内容だったらあげたくない、って思う方もいると思うんですよね。

そんなフードを渋々あげる飼い主さんの気持ちって、絶対に犬に伝わっていると思っています。

不安な人のオーラってなんとなく私たちも感じますよね?

犬は言葉が喋れない分、そう言ったオーラを人間よりも敏感に察していると思うんですよね。

特に飼い主との関係は一心同体のようなもの。

犬にとっていちばんの楽しみかもしれない食事を渋々用意されたら、その時点で犬も不安に感じると思うんです。

食事内容も偏っているので療法食は長く続けるべきではないと思っていますが、そう言った飼い主さんの気持ちも大切にしなければいけなと思っています。

犬を飼っているのは当たり前ですが飼い主さんですからね。


そしてもう一つ、大きな問題だなと思った点が「病院に行きすぎ」問題。

この子は最低3ヶ月に1回は尿検査とエコーをしていたみたいです。

尿に問題がなくてもです。

問題があったらその間隔が狭くなっていたようです。

またワクチンのリスクがあるにも関わらず、毎年ワクチンを接種していたとのことでした。

そして麻酔をかけての歯石除去も行っています。


動物にとってそれがどれぐらいのストレスか、わかりますか??

動物には検査をして欲しいなんて希望はありません。

ワクチンも世界的には3年に1回を推奨していますし、1度打ったら一生免疫が保てるっていう報告もあります。

しかもこの子はワクチンに対してアレルギーがあったりします。

また検査や薬なんかで心身ともにストレスがかかっていると思うんです。


膀胱ってストレスがかかると膀胱炎になったりしますよね??

それなのにそんなに病院に連れていくって、逆にそれがストレスになって悪化しているんではないか、って思うんですよね。

しかもそれによって飼い主さんも不安になっている。


っていう現状を踏まえて私がやったことは以下のとおりです。

・フードを小麦の入っていないものにした
・半分ぐらいは手作りを混ぜるようにした
・検査をしなくていいって言った

以上。

特に使ったサプリなんかはありません。

結論から言いますとそれから1年、頻尿も尿漏れもありません。

3年ぐらい病院通いだったのに、何もせずに症状が落ち着いています。

一応この前もエコーは撮って来ましたが、飼い主さんがたまにやらないと不安だってことでやりましたが、私は症状がなければやらなくていいって言っています。


結局やりすぎなんですよね。

検査、投薬、ワクチン。

そして何よりも不安が大きすぎ。

病院っていうのは病気を見ていくことが多いので、どうしてもリスクとかこのあとどうなるって話が多くなります。

でもそんなものは起きてから考えればいいことがほとんどです。

例えば車を運転するにしても人が飛び出してくるとか、車が急に出てくるとか、他にもリスクを上げればキリがありません。

そのリスクを心配しすぎると保険はマックスに入っておかなければいけないし、衝突されてもいい車って言ったらベンツのゲレンデやトヨタのランクルみたいにトラックみたいな車になってしまう。

そして運転席でヘルメットを被って・・・

というか怖くなりすぎてそもそも外にも出られないかもしれないw


そんなもの気をつけて運転をして、何かあったらその時に対処するしかないんですよ。


病気もそう。

日頃から気をつけて、何かあったらその時に対処する。

何もないのに不安に怯えて検査をしたりワクチンを打ったり薬やサプリを飲む必要なんて、全くないと私は考えています。

これは私の意見ね🤲


それを外しただけです。

あとは膀胱炎になったり頻尿になったりするのは必ず理由があるんで、まずは薬や検査だけでなくそこを見つめ直すことが必要なんですよね。

それで治る病気や症状って、結構あるんです。


ってことなんで、気楽に生きましょう👍


では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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