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足さない医療

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

うちの奥さんに「梅が売ってたよ〜」って言われて急いで買いに行ったところ、それは梅ではなく「プラム」だったのでがっかりした林です。

いや、確かに似ているけど異なりますw

#プラム酒も考えた


さて、自然農をやっている私。

やっていると言ってもそれで生計を立てているわけではなく、半分以上が実験で、それによって作物が食べられれば嬉しいな、っていう状況です。

だからどれだけ作物が取れてもいいんです。

そこへの執着がないので、結構いろんな発見ができるんですよね。


昨日は川口さんという方の自然農の本を読んでいたんですよね。

自然農っていうのは
・無肥料、無農薬
・不耕起栽培(耕さない)
・草や虫を敵としない

っていう感じでやる畑のスタイルです。

農法、っていうと堅苦しくなりますし、自然農は農法ではなくあくまでも考え方だと思っていますので、スタイルって感じですよね。


で、色々読んだり自分でも行っていたりして感じるのが、畑(自然)も身体もやっぱり一緒だなってこと。

言ってみればそれは当然で、身体だって自然の一部ですからね。

人間をはじめとして動物たちの身体っていうものは人間が頭で考えて作り出した産物ではなく、自然に生まれてきたものです。

自然の一部として、生命は生まれてきます。


ここに医療の矛盾があるんですよね。


結論から言うと、自然が作り出したものを人間の頭でどう考えて頑張っても、よくなることはないんじゃないか?ってこと。

いや、ないって言うと語弊がありますが、人間の頭で考えるよりも、自然は自然に任せておいた方が良くなっていくんじゃないか??ってことです。


つまり身体の症状が出ているには必ず訳があり、それを良くするために身体はその症状を出しているんだから、人間が頭で考えてそれを無理やり封じ込めるんではなく、人間の頭を使って身体が良くしようとしているのを助けてあげればいい、ってことに落ち着きました。


これはなんでもそうです。

風邪一つとったって人間には治すことはできません。

ウイルスや細菌に対してバランスを崩してしまった身体が負けるから風邪を引くのであって、そもそもバランスが取れている身体であればどんな菌が来ようが何も起きません。

痛みだってそう。

痛みを出すことで動かなくさせて、その間に治そうとしているのを人間が痛みを止めてしまうから、永遠に治らないんです。


多分腫瘍だってそう。

いろんな炎症性疾患だってそう。


腫瘍や炎症って悪者扱いされることが多いですよね。

でも考えてみたらこれはおかしなことで、今まで私たちの身体が私たちに不利益に鼓動したことってありますか??

例えば心臓が「今日はめんどくさいや」って拍動をするのをやめたり、腎臓が「たまには休ませてくれ!」って言って働くのをやめたり・・・

そんなことをしたらその瞬間「死」が待っていますよね。

身体のどの臓器も、言ってみればどんな細胞も、我々がどんなに激しい運動をし、どんなにストレスフルな環境で仕事をし、どんなに暴飲暴食をし、どんなに薬や化学物質にまみれても、身体の臓器たち、細胞たちは自分の働きを全うしてくれています。


なのに・・・


そうやって健気に頑張ってくれている身体なのに、何かの症状が出た時だけ悪者になることってあるでしょうか??

炎症や腫瘍がなんで出ているのか、それは私たちを苦しめるためなんでしょうか??


ここがどうも最近納得ができなくて、一から考え直そうと思ったきっかけです。


そうやって頑張っている身体が出している症状って、それ以上何かを溜め込んでいると身体は、というか命が危なくなるから前もってデトックスしているんなじゃないなか?

そう考えていくと、いろんな辻褄が合うような気がするんですよね。

吐いたり下痢をするなんていい例です。

身体にとって害のあるものをそのまま吸収すると体調が悪くなるので、吐いたり下痢をしたりする。

これは基本中の基本。

それを食べ物を見直さずに胃薬だったり吐き気どめだったりを使うって、身体が頑張って良くすることをあえて悪くさせているような気もします。

その他の病気もそう。

もっと言うと風邪一つ、怪我一つ、我々には治すことはできず、身体が勝手に治しています。

なのに複雑な炎症だったり慢性疾患だったり、腫瘍だったりを人間の手で治すことなんてできないと思うんですよね。


そうなるとどう言う治療がいいのか?

そもそも治療なんてほとんどいらない、って本当に思ってきています。

救急疾患は別として、日常経験するほとんどの症状に対して治療はいらないのではないか、って考えています。

それよりも今までの生活を見直し、原因となっているものを「引く」ことが大切だと思うんですよね。

今の治療といえば何にしても「足し算」です。

薬、サプリ、食事。

これを食べればいいとか、これを飲めばいいとか。

手術、マッサージ、鍼灸。

これをすればいいとか・・・

確かにそれが助けになっているかもしれません。

それは否定しませんし、私もそう思うこともあります。


でもそうやって足し算的な治療をしていても、結局のところの原因が取りさらわれないと真の意味で「治った」とはいえないんですよね。

じゃあどうしたらいいのか、って言ったら
「身体に任せながらなるべく自然から離れたものを削っていく」

これなんじゃないかと。


人間で言うと食べ過ぎ、飲み過ぎ、座り過ぎ、運動しなさすぎ、働き過ぎ・・・

動物で言うとやはり食べ過ぎ、運動しなさ過ぎ、薬の飲み過ぎ、そして飼い主さんが気にし過ぎ・・・

そういう「やり過ぎ」をどんどん無くし、あとは身体に任せておく。

これでいいんじゃないかな、って本当に思うんですよね。

その途中でいろんな症状が出て不安になります。

でもなんでその症状が出ているのかをしっかり見つめ、動物たちを信じて待ってあげることも大切です。


私がこれからやっていくのは、そうやって出ている症状がなんで出ているのか、ってことを伝えていくことなんだと思います。


自然にどんどん戻していく。

自然っていうのはただそれだけでバランスが整っています。

誰も愚痴を言わず、穏やかな時間が流れています。

実は身体もそうなのかも知れません。


では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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