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皮膚は最大の排泄器官

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

鎖骨骨折生活18日目。

最近動けるようになってきていますが、しゃがんでいる時なんかは片手が効かないとバランスを崩してしまうようで、そんな時身体を支えようとして思わず右手が出てしまい・・・

その後の悲劇はご想像にお任せしたい林です。

みなさんご存知かもしれませんが

「利き手、大切ですよ!」

いや体のパーツは全て大切です😅

だから無闇に身体を痛めつけることはやめましょう!!


ん??

「そんなことするわけないでしょw」

って言いました??

そうですよね、そんなことするわけない、って思っている方多いと思います。

でもそれって知らないだけで、実は良かれと思って行っている行為が身体を痛めつけていることって多いんですよね。


今日は皮膚のお話。

タイトルにもありますが

「皮膚は排泄器官」ってご存知でしょうか??

googleで調べてみてください。

60万〜80万件ヒットしてきます。

これ人間の美容業界ではもはや常識ですよね。

運動やサウナで汗をかくことを「デトックス」なんて表現している方もいます。

皮膚は汗だけでなく、身体にとって不要になった物を排泄します。

ニキビだってそうだと思います。

特にこの年末年始、普段よりも食べ過ぎる方が多いと思いますが、そうすると顔だけでなく身体に吹き出物や湿疹、できませんか??

私はできますw


そして人間が肌荒れした時どうするかって言ったら

・刺激の少ない石鹸や化粧品を使う
・食事を含め生活習慣を見直す
・ストレスをためない

こんなことをするんじゃないでしょうか??

皮膚科の先生もアトピーなんかの患者さんには固形石鹸や水洗いを勧めるって聞きました。

私はこの2年ぐらいシャンプーを使わなくなり、1年ぐらい前からは石鹸もやめましたが、皮膚のトラブルはやっぱり減っている気がします。

頭が痒くなることは全くなく、ハンドクリームを使うこともなくなりました。

子供達にも「手がスベスベ」って言われています。

外から帰ってきてもよっぽど汚れている時以外は石鹸は使っていませんが、今のところお腹を壊すこともコロナになることもインフルになることもなく過ごせています。


では動物の皮膚に対してはみんなどう考えているのでしょうか??


「犬 皮膚 排泄器官」とgoogleで調べると、22万件ヒットしました。

その中でもgoogle先生が52件に厳選してくれていますが、「犬の皮膚は排泄器官」と言った記事はほとんど、というか全くない。

犬の皮膚病に関する記事ばっかり。


では治療はどうするのか?といえば

・抗生剤
・抗真菌剤
・ステロイド
・免疫抑制剤
・薬用シャンプー
・療法食
・保湿剤

そして最近では痒みのサイトカインであるIL-31(痒みの元みたいなもの)を阻害して、痒みを出させない薬(アポキルやサイトポイント)

なんかが主流になってきています。

私も数年前まではちょっとでも皮膚に湿疹があるとそこの皮膚を綿棒なんかで擦り、顕微鏡で見ると「ブドウ球菌がいたら膿皮症」と言い、抗生剤を使用してきました。

耳が痒い子がいると「抗生剤、抗真菌剤、ステロイド」の入った薬を処方し、最近では1〜2週間聞く薬なんかが多く出てきたので「何回も点耳すると動物が嫌がるから」と勧めたりもしていました。

痒みが落ち着かない子がいるとアポキルを継続的に処方することもありました。

顔周りに痒みが出ている=食事アレルギーと診断し、さまざまな療法食を使ってきました。


でもここで書いているものって、人間だと使うものでしょうか??

いや、もちろんステロイドなんかは使いますが、それでも「ちょっと皮膚に湿疹が」レベルでは使わないと思うんです。

それを考え始めたのがやはり救急時代。

人間で使わないような薬が動物ではバンバン使われている。

そして皮膚炎に関してはその薬によって一時的には良くなったように見えても、また症状は繰り返す、と言うかもっと悪化して、より短期間のうちに皮膚炎を繰り返すよになってくる。

そう感じるようになったんです。


でも「なぜ皮膚炎になるのか」を考えていなかった当時、

「アレルギーは治らないでどんどん悪化していくのが普通」

みたいなよくわからない常識が自分の中にあり、思考停止していたんだと思います。

今改めて考えると、おそらく私のやってきた治療は、ほぼほぼ間違っていたのかもしれません。

いや、間違っていた、と言うよりは「一般的な治療」と言う意味では正解だったのかもしれません。

でもそれはただ症状を抑えるのみであり、「なぜその症状が出たのか」と言う身体のメカニズムは全く考慮していませんでした。

「なぜその症状が出ているのか」
「身体はなぜその症状を出さなければいけなかったのか」

と言う前提を考えると今までやってきたすべての治療を一度リセットして、新たに治療法を考えていく必要があります。

そして考え直せば直すほど、今までやってきた治療がいかに動物に対して負担をかけてきたかがわかるんですよね。

最初に「良かれと思っている行為が身体を痛めつけていついることって多い」って書きました。

我々獣医もそうですが飼い主さんだって動物の痒みはいち早く止めてあげたい。

その想いはごくごく当たり前だと思います。

でも「なぜ動物たちの痒みは出ているのか?」を考えずにただ止めると言うことは、身体に必要以上に薬を使うことにもなりますし、原因が除かれないのであればその皮膚炎は治ることはないんですよね。


じゃあ「なんでその痒みが出ているのか?」
そして「それに対してどのようにアプローチをしていくのか?」

に関してはまた次回〜


では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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