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犬は狼の末裔??

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

食事について考えているうちに、また玄米を混ぜて炊いてみている林です。

玄米を混ぜて食べてみた感想:やっぱり白米だけだと全然噛まないで飲み込んでいることが判明しましたw

少しずつ玄米生活ですね👍


さて、昨日診察の時にも話題になったんですが、犬の食事をどうしたらいいか悩んでいる方多いと思います。

私も正直よくわかりませんw

というのも人間ですら人種によって腸内環境のバランスも違えば体格、性格、なりやすい病気が違うので、合った食事というのは全く違います。

海藻を消化できる酵素を持っているのは日本人だけ、という報告もあります。

逆に欧米人にはいいと思われている食事でも日本人には合わない、っていう例もあると思います。

またそれはその人の今までの食生活だったり、その先祖の食生活だったりも大きく関係していると思われます。


で、昨日診察に行った家の子は
・ラブラドール
・ミニチュアシュナウザー
・スタンダードダックス

だったんですね。

当然のことですがみんなに同じドライフード、同じ様な手作りのものをあげているとのことでしたが、飼い主さんはご飯について悩まれている様子。

というのも同じものをあげても大丈夫な子もいればすぐにお腹が緩くなる子もいる。

栄養価の高いフードに変えると下痢をしてしまったりもする。


そういうお悩み、結構あると思うんです。

その前の日に行ったトイプードルの飼い主さんは、やはり栄養価の高いご飯にしたら目周りが赤くなったり手足を舐めたり、アレルギーの様な症状が出た。

でも「犬は肉食」ということでトッピングのほとんどはお肉にしていたらしいんですよね。

でも手足は舐めている、っていう現状です。



そういう話を聞きながら自分でも色々と考えるんですよね。

犬って本当に狼の末裔なのだろうか???って

確かにシェパードだったりハスキーだったりは狼と繋がりがあるでしょう。

でもチワワとかトイプードルとか、シーズーなんてものはどうみてもオオカミとは違います。

イヌ科でいうんだったらタヌキとかキツネとかの方が大きさ的にも近い様な気がするんですよね。


というか、もっというと、犬は犬として最初から存在していた、っていう可能性もあるんじゃないかなとも思っています。

日本では数万年前から柴犬や甲斐犬ぐらいのサイズの犬と思われる骨が見つかっているって書いてある本も読んだことがあります。


じゃあタヌキやキツネなんかは何を食べているのか?

タヌキの本を読んだ時に書いてあったのは、タヌキの食べ物はほとんどが植物だってこと。

イヌ科の動物っていうのは肉食中心の雑食です。

肉が好きだけど割となんでも食べる動物ってことですね。

犬も肉は好きですが葉っぱも食べるし、なんなら人間の食べ物は常に狙っていますよね。

タヌキもそうだと思われますが、でも食べるものはほとんどが植物。

なんでかというと、動物、特にネズミなんかの小動物を捕まえるのって大変ですよね。

ネズミの方も捕まえられる=死、ですので、文字通り必死で逃げます。

そんな動物をそう簡単には捕まえられませんよね。

そういう小動物を捕まえることができれば数日間は食料がなくても生きていけるかもしれませんが、動物の狩っていうのはお腹が空いてから動き始めます。

お腹が空いてから動き始めて捕まえられなかった場合、動物ばっかり追いかけていては飢え死にしてしまう。

じゃあ昆虫は?ってなったらその辺にいっぱいいますけど、全然お腹が満たされない。

ってことで木の実を中心に植物を食べるみたいなんですよね。

そして冬になって植物がなくなると小動物以外に食べるものがなくなってくるので、そういうものを中心に食べる。

でもありつけない可能性があるんで、秋に木の実をいっぱい食べて冬に臨むんですって。

クマもどんぐりをたくさん食べます。

動物は運動もしながらそうやって暮らしているんですって。


一方・・・ですよ。

タヌキと同じぐらいの小型犬はそんなに運動もせず、それでいて1日2食しっかり食べ、さらにおやつまで食べる。

そんな生活の犬たちにどこまで肉が必要なのか??って考えたら・・・

そんなに必要ないのかもしれないんですよね。

先日ご紹介したハワイの獣医さんの本では、大型犬は肉がないとダメだけど、小型犬は肉がなくても大丈夫、とも書いてありました。

肉以外にもタンパク質を取れるものはありますからね。

私はそこまではわかりませんが、少なくても筋肉量の多いオオカミに似た大型犬なんかよりは肉の割合は少なくてもいいんだと思います。

よく本には
肉、魚、卵などのタンパク源:1
お米、お芋などの穀物   :1
野菜           :1

って書いてあります。

タヌキの食事は
動物:植物=3:7

らしいんですよね。

動き回っているタヌキですらそれです。

体格にもよりますが、小型犬にはそこまで肉は必要ないのかもしれませんよね。


一方大型犬は?っというと、やっぱり小型犬よりは筋肉量が多いので肉はとった方がいいと思います。

でも肉と同時に脂肪もとりすぎると、消化吸収ができない可能性もあります。


ここで忘れてはいけないのが、いくら狼の血を引いているかもしれないとはいえ、もう完全に犬ですし、その先祖はドライフードで育った可能性があるってこと。

そうなるとその腸内環境はドライフード様になっていますので、もう野生のそれとは全く違う可能性が大きいってことですよね。

2世代ぐらいでガラッと腸内環境って変わってしまうみたいです。

そして今までドライフードを食べていた子たちにとっては、腸内環境は完全にドライフード仕様になっていると思いますので、いきなり生食なんかのワイルドな食事はやめた方がいいと思うんですよね。

これは玄米がいいからと言って今の日本人が玄米を食べると、ほとんどの人が消化できずに便秘や下痢になるのと同じだと思っています。

しかも日本人は2〜3世代前までは玄米を食べていてもそうです。

動物を捉えて生肉を食べていた犬なんて何世代遡ればいいんでしょうか??

その辺を考えると犬だからとか、狼の末裔だからとかで考えるんじゃなく、その子には今何があっているのか?

それを前に出した肉や野菜の割合で試しながら、量を調整していくのがいいと思います。


「これさえ食べておけば大丈夫!!」なんてフードはないですし、手作りもそんなものは存在しません。

その子にあった食べ物を楽しみながら探してみてください👍

 
では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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