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弓道と動物の身体

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

この2日間、身内の旅行で旅館に泊まっていたんですが、出てくる料理の量が多すぎて胃腸に不具合を感じている林です。

普段朝ごはんなんて梅干しか卵かけご飯ぐらいしか食べないのに、今日はお刺身が出てきましたw


以前はそういうのもいいのかな〜と思っていましたが、ここ最近は「そこまで豪華にしなくてもいいのではないか?」って思うんですよね。

だって明らかに誰にとっても程よい量を超えていますし、子供達の料理はほとんど手付かずで残されるわけです。

それはうちだけじゃなくどこでもそうだと思います。

そうやって残されていく料理を見ていると、完全なる命の無駄遣いのような気がして、今までは良かったかもしれないしそれが喜ばれたのかもしれないけど、もうそろそろ程よい量で満足するような体制をとっていった方がいいような気がするんです。


「足るを知る」


多分そういう豪華な旅館に泊まることはもうないのかな〜なんて思ってしまいました。


量は多くなくていいからしっかり手作りの料理と畳の部屋があれば、私は満足ですね👍


さて、先日往診に行った先で話していた内容についてです。


そこのお父さんが昔弓道をやっていたそうなんです。

仕事を始めてからはなかなか時間も取れずできていないみたいなんですが、弓道をやっていた時の話をしてくれたんです。


弓道に関しては私はやったことがありませんが、以前Youtubeで「弓と禅」という本の解説動画を見たことがあったんです。

そこでこんなことを言っていました。


「弓を射る時は、的を狙おうとか手をこのタイミングで放そうとかするのではなく、呼吸に集中して無心になり、くるべき時が来たら勝手に弓が放たれ的を射ている」

これ、意味がわからなかったんです。

だから弓道をやっていたお父さんに「そうなんですか?」って聞いてみたんです。


そしたら「そうです」っていう答えが。


そういう精神状況になると、勝手にいいところに何かが落ち着くようになるんでしょうか?


昨日習字をやったんですが、書こう書こうと思うと、上手くは書けるんですが勢いがなくなっていくんです。

そして集中ができなくなってくると、本当に筆が進まなくなるというか、なんだか今までかけてた文字が急に書けなくなるんです。


精神って本当に大切なんですよね。


さて、弓道の話ですが「目的を果たそうとせず、ただただ落ち着いて待つだけ」みたいなことって、実は動物医療にも必要だなって思っているんです。


今の医療って「こういう症状が出ているからこれを調べて、この薬や手術をすればこう治っていく」みたいなセオリーがあると思うんです。

別にそれを否定するわけではないですが、何度も言っているように病気を治しているのはいつだって患者さん本人です。

我々はそのお手伝い。

そして一番お手伝いができるのは、常にそばにいる飼い主さんです。


そうやって動物が自分自身で治るように、というか身体をととのえに行っているって考えると、我々がやることは、それをただ待つのみ、なのかもしれないんですよね。

いや、ただ待つのみというよりは、何が原因でその症状が出ているのかを考え、なるべくその原因を取り除きながら見てあげる、っていうことが大切。

その原因っていうのは、例えば細菌とかウイルスとか、あとは免疫がどうとかと言ったものではなく、もっと本質的なもの。

いつも食べている食事、運動や生活環境、飼い主さんとの関係性を含めたストレス、薬などの化学物質や電磁波、気候・・・

実に様々なものが複合的に絡み合いながら存在しています。


動物の身体は勝手にととのうように症状を出しています。

身体に毒というか要らないものが溜まらないように下痢をしたり吐いたり、皮膚炎が出たり熱が出たり。

我々人間も含めて、動物たちの身体は優秀ですので、不具合が起きないようにいろんな症状で毒を出し、我々に氣がつかせようとしています。


にも関わらず、ですよ。

人間は「あ〜すれば、こ〜なる」と頭で考えて、そうやって出ている症状を止め、薬やサプリ、そして栄養のあるものをといろんなものを足そうとします。

身体は必死にいろんなものを身体の外に出そう、つまり引き算をしているのに・・・


そこで弓道の言葉が出てくるんです。

「目的を果たそうとせず、ただただ落ち着いて待つ」


我々は動物を治すことはできません。

できるのはそのお手伝い。

だったらもう最初っから動物を「治そう」って思うのを諦めてみてもいいと思うんです。

動物を治そうなんてせず、動物はととのうように自分自身で工夫しているんで、それを邪魔しないように見守ってあげる。

そういうのが必要なのではないか、そしてもしかしたら昔の日本人はそれをわかっていたのではないか・・・


何も加えないで見守ってあげるって、すっごい難しいことだと思います。

我々は基本的に足し算しか教わってません。

何か症状があると薬を飲んだりサプリを使ったり漢方を使ったり。

栄養のあるものをと言ってお肉を食べたり。

でも今の病気のほとんどは何かの取りすぎで起きています。

栄養過多、添加物過多、薬の飲み過ぎ・・・

そういった過剰なものを身体から引こうとしているんです。


だったらそのまま引いているのを見守ってあげることも大切。


何かをするのであれば、免疫の大元を担ってくれている腸内最近たちが喜ぶようなものをしてあげるぐらいがちょうどいいんです。


食事を変える、整腸剤を使ってみる、しっかりと運動する、ストレスを取り除く。


まずはそう言ったことをしてみて、しっかりと見守ってあげることが必要なんじゃないかって思うんです。


身体は自分にとって悪いことは一切しないと思っています。

だって生きるために一生懸命、24時間365日働き続けてくれています。

そんな身体が出している症状は「生き方、少し間違っていますよ」っていうサインだと思うんですよね。


とは言ってもなかなか見守るのは難しいと思います。

まずは何かの症状が出た時、動物をしっかり観察し、しっかりと身体を触ってあげてください。


何か見えてくるものがあるかもしれません🤲


では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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