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幸運

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

硫黄の温泉の素を風呂に入れているせいで、家の中が全体的に強羅の匂いがしている林です。

箱根に実家があった後輩が、「毎日家が硫黄臭い」と言っていましたが、こういうことだったんですねw

水道から温泉が出るって、いい面もあるけど、それが毎日だと結構辛いんだな〜って思っております🤲


さて、最近朝起きるとノート1ページにその時感じたこと、思ったことをとりあえず書き殴るっていう作業をしております。

モーニングページってやつ。

その時浮かんできた思考をとりあえず書く。


最初の数行は「眠い」「だるい」「身体重い」「雨」みたいな、そんな感じなんですが、何行か書いているとそのうちいろんなことが浮かんでくるんですよね。


今日は「今何がしたいのかな〜」って考えていたんです。

そしたらもしかしたら今やりたいことって、動物の診療というよりは、動物の診療を通して感じてきたことを、誰かに伝えることなのかもしれない、って思ったんです。

まぁこのブログもそうですね。


診察がしたいのか??って言われると、正直よくわからないんですよね。

診察をして面白くないことはないんです。

でもめちゃくちゃ診察したい!!とは思わない。


診察に関して今の率直な意見は
「身体は治るようにできているから、なるべくそのままを見つめてあげる」

なんですよね。

むしろ人間の思考でいいと思われてきたことって、ことごとく外れて来ていると思っているので、なるべく自然に、でも少し手を加えてあげて、緩やかに戻していくっていう作業が必要なんだと思うんです。


動物が何かの症状を出している時、なんとかしたいっていう思いを描くのは当たり前のことですよね。


でも急に変えるっていうことは、その反動が出るってことです。

これは絶対と言ってもいいと思います。


例えばアフリカのサバンナみたいな道なきみちを走っていて間違った場合、急にハンドルを切って左に曲がったらどうなりますか??

スピードを緩めなかったらその反動で車は横転してしまうと思うんです。

うまく曲がっていくのにはブレーキをかけたりゆっくり回ったりする必要がある。


治療もそう。

そっちの道で身体が行くって決めているんであれば、基本はそれに従って、少しブレーキをかけたりギアを調整したりしながらハンドルを微調整していく。

それぐらいでもちゃんと身体は動いてくれます。

それが今の動物医療だとどうしても急激に何かをしているような気がするんですよね。

 
別に興味がないわけじゃないんです。

食事とか身体とか、特に整体やマッサージみたいな分野はめっちゃ興味があるんでやっていこうと思っていますが、なんか最近は

「なんとかしてこの病気を治さねば!!!」

みたいな情熱はないんです。

もちろん診察している患者さんは全力で診察しているつもりです。

でもその時以外は病気に関して考えることは本当になくなりました。


そんなことより
「どうしたら病気にならないか」
そして
「どうしたら飼い主さんは安心して暮らせるのか」
「どうしたら楽しく動物と暮らしていけるのか」

そう考えるようになったんです。


だってずっと病気のことについて考えるって、辛いですよ。

しかもそれってまだ起きていることじゃなく、ただ頭の中でぐるぐる妄想して、どんどんネガティブになっていくような気がするんです。


実際に起きたことに対して反応していくだけでも十分なのかな、って思って、まだ起きてもいない事象について考えないようにしています。

大体の自分のシュミレーションなんて外れますからね。


まだそうなってもいない時から「これがダメだったらこうして・・・」って考えるのって、その治療がダメだって自分で思っていることだと思うんですよね。

だからその結果が出るまではなるべく次は考えませんし、まだ来てもない、見たこともない病気を勉強するっていうこともしなくなりました。


それよりは「どう生きていくか」みたいなところなんですよね。


今日死ぬかもしれないんですよ。

今元気でも、家から出た瞬間に事故るかもしれない。

突然の不幸に見舞われることなんていくらでもあります。

だって今日本では、年間150万人亡くなっているんですよ。

これ、1日あたり4000人以上です。

4000人ってめっちゃ多くないですか??

1日にそれだけの数の方が亡くなっている。

ってことは生きているだけで、めちゃくちゃラッキーなんですよ。


動物だってそう。

毎日何頭もの動物が亡くなっていきます。

昨日まで元気だったのに、急になくなる子もいます。

うちの子もそうでした。


そういうもんなんだと思います。


だったら、あれこれと考えすぎてまだ起きていないことを心配したり、他人と比べて「いいな」って思って自信を無くしたりしている時間ってマジで無駄ですし、それって動物に対してめちゃくちゃ失礼なことだと思うんです。

動物は「今」しか生きていないんで、今楽しければいいんです。

今楽しく遊び、今楽しく飼い主さんと過ごし、今美味しいものを食べる。

それだけでいいんです。


多分動物たちの方が人間なんかよりも、今を生きられる幸運を知っているんだと思います。



なんかね、診察をするよりもそういうことをなぜ感じ始めたのか、なんでそういう考え方をするようになったのかを伝えていく方が面白いんですよ。


だって動物に今起こっていることって、ほぼ100%飼い主さんの選択によって起きていますから。

もちろん遺伝もあるかもしれませんが、ほとんどは飼い始めてからどう接しているかです。

病気だって性格だってそうです。

どこで暮らし、何を食べ、どんな運動をし、飼い主さんがどう接しているか。


人間だったらそう言った環境要因が人間性を作っていき、生活習慣次第で病気になりやすくなるかどうかも左右される、っていうのはなんとなくわかっていませんか??


でもそれが動物になると急に「遺伝」「体質」「わからない」になるんです。

でも人間も動物も動物です。

私は動物も生活環境が大きいと思っています。


だから病気だからそれを治療したい、っていうよりは、病気であってもなくっても、やることって変わらず「楽しく生きる」以外にはないと思うので、こういうことを書いているんですよね。


ってことで雨すごいですね〜


では🤗

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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、東京・神奈川・埼玉・静岡で往診しています。

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