ブログ

動物のと関わり方って何が正解なんですかね??

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

昨日は暑さのせいなのか、低気圧のせいなのかやる気が全く起きなかったので、お昼寝を3時間もしてしまった林です。

今日も朝4時に目が覚めてしまったので5時から1時間半ほど散歩してました🙋‍♂️

#おじいちゃんです


さて、先日図書館でとある本を借りてきたんです。

タイトルは「ヒグマが育てる森」

なにかと話題のクマに関する本です。


ここ最近YouTubeでもネットでもいろんなクマに関する情報が出てくるようになりました。

そのほとんどはクマは危ない存在で、なるべく遭遇しないようにするには、遭遇してしまったらどうしたらいいのか、といったもの。

クマに攻撃された場合、最悪は亡くなってしまうケースもあり、そういう怖い情報が動画でたくさんネット上には載っています。


私はクマを自然界で見たことはありません。

富士サファリパークでしか見たことがないんです。

だからクマの恐ろしさを本当の意味で知りません。


確かにクマに襲われたら確実に怪我をするでしょう。

最悪死ぬかもしれないでしょう。

近くの山でも「クマと思われるもの」の目撃情報が最近出ました。

そこは去年登った山です。

「クマ出没注意」の看板がその時もありました。


でもね、クマからしたら逆に人間が山の中に来てびっくりしているかもしれないですよね。

これはクマに限ったことではありません。

例えばスズメバチだってそう。

我々はスズメバチを基本的に恐れています。

刺されると死ぬかもしれない、っていう恐怖、そして実際に年間に20人程度が亡くなっています。


でもスズメバチからしたって人間は強敵であり、できれば敵にしたくない存在です。

だって殺虫剤は持っているし叩かれて死ぬかもしれないし。

何しろ自分の身体より何倍も、いや何万倍もでかい存在って普通に怖いですよね。

オオスズメバチであっても体長5cm、体重3gぐらいです。

人間がティラノサウルスにアタックするよりも無謀です。


じゃあなんで人間を刺してしまうのかといったら「正当防衛」ですよね。

自分に脅威だと感じたら、もしくはびっくりしたら。

最初から人間を襲おうなんて思っていません。

羽を鳴らし、顎をカチカチ言わせ、いやその前にあの警戒色。

身体中黄色と黒の警戒色で塗ってくれている。

そういう警戒を無視してテリトリーに入ると向こうだって決死の覚悟なんですよね。


クマだって一緒だと思うんです。

最初から襲ってくるクマって少ないって言います。

威嚇して唸って、身体を大きく見せ、それでも危ないって感じたら襲ってくる。


人間がやられた時、動物が一方的に悪いケースってないんですよね。

動物病院で働いていた時はいろんな犬猫にキレられていました。

そしてよく噛まれていました。

でもそれは当然で、動物からしたら動物病院に来たいなんて思ってもないし、実際に動物病院では押さえつけて注射をしたり検査をしたり、基本的に嫌がることをします。

もしも人間に対して最初から攻撃的な犬猫がいたとしたら、動物病院に入ってきた時点で威嚇をしていると思います。

でもそんな子たちはほとんどいない。

大体は人間が、我々が仕掛けた後なんです。


クマなどの野生動物相手になると、動物が住んでいた環境を人間が壊してしまったので、動物が人間の元まで出てきてしまっているという問題もあります。


でもその前に、人間がされて嫌なことを動物にしている、ってことを今一度考えないといけないんですよね。

私はそれがとてつもなく嫌になってしまったんで、動物病院で働くことも辞めましたし、今ある動物病院の形で開業することはないと思います。

だって自分だったら、ですよ
・何をいっているかわからない生き物に
・いきなりじっくり見つめられ、身体を触られ、しかもそれが痛いところだったりする
・抑えられて採血をされ横にならされてレントゲンやエコーを撮られ(動物は何をされているのかわかっていません)
・注射をされ、薬を飲まされ、そして時には狭い部屋に押し込められ知らず知らずの間に眠らされ、お腹を切られて眼が醒める。

通院も毎月、ひどい時には毎週になってくるとその恐怖が毎週になってきます。


しかも、ですよ。

病院に行き出すとなかなか治療が終わらない。

今の教科書的な治療だとずっと飲み続けるような薬もある。


つまり病気が治っているわけではなく、ただ症状を抑えているだけ。


自分が逆だったら、そんなことに耐えられず、脱走を試みるかリードを食いちぎるか、まぁ獣医の手は間違いなく常に狙っているでしょうね。


野生動物だってそう。

見つかったら常に撃たれる危険性があったり殺虫剤を巻かれて死ぬ危険性があったり、そんな状態はとても気持ちがいいわけじゃないですよね。


だったらどうするのか??


これに対しての回答なんて出ていません。

でも自分がされて嫌なことは相手にもしない。

これを少しずつでいいのでやっていくことが大切なんだと思います。


クマもイノシシも、サルもシカも、そして虫たちも、人間の手によって自分たちの棲家を失ってきています。

クマなんか山奥にいる存在で、昔は降りてこなかったと言います。

それを人間が杉の木なんかをめっちゃ植えたから、どんぐりなどの木の実がなる木が減って食べ物がなくなってしまったと言います。


迷惑なら殺してしまえばいい。

それじゃ何の解決にもならないんですよね。

どうしたらいいかなんてわからないですが、それを考えていく必要が我々にはあると思いました。

だって人間は唯一しっかり考えて行動できる生き物なんで、それをそろそろ壊す方ではなく調和の方に持って行ってもいいと思います。


では🤗

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、静岡と東京を中心に往診をしております。

おすすめの記事
こんな記事も読まれています
記事URLをコピーしました