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ステロイドを使っても治らない??

ときわのもり動物病院

こんにちは〜

最近コーヒーを飲みにいくなら外のテラスのあるところ!!と決めている林です。

そうなると選択肢はスタバになってしまう事が多いんですが、海や山などの自然のあるところだとテラスがあるカフェが多くて助かります👍

テラスは明るいし風も気持ちいいし、何より人が少ないので集中して本を読んでお勉強ができるのでとても助かっております😎

#家の中に居られない性格なもんで


さて、今玄米酵素を使っている子たちについてちょっとまとめようと思っています。

どういう子たちに玄米酵素を使っているのかというと、圧倒的にお腹がゆるかったり吐いたりする子なんですよね。

まぁ最近は「まずは腸から」と診察の時に言っていますので、何かしらの体調の不具合がある子に対しては玄米酵素をはじめとする整腸作用のあるものを出したり、食事でそういうものを摂ったりしてもらうことをお勧めしています。

今往診で診察している子たちでくるとを定期的に飲んでいてくれているのは15頭ぐらいだと思います。

その中にはステロイドや抗生剤を使わないと治らなかった下痢の子たちも何頭かいます。


ここからは私が獣医師になってから行ってきた診察の一般的な流れを書きます。

おそらく教科書の通りかと思いますので、標準的な治療じゃないかと思っています。


まず軟便や下痢で来院した子に対して糞便検査をします。

そこで寄生虫の有無や細菌のバランスなんかを確認するんですが、子犬以外で寄生虫がいることは本当に稀です。

みなさんが飲んでいるフィラリアの薬は基本的にはお腹の寄生虫に対しても効くものが多いので、ほとんどの子たちでは回虫などの寄生虫は検出されません。


んで、だいたいそういう子たちのうんちって
「細菌のバランスが悪い」
「悪玉菌が多い」

と言っていました。

そして軟便であれば整腸剤、ちょっと水っぽければ抗生剤を処方、時には抗生剤の注射を打つことだってあります。

そして食事はこれにしてください!!と言って缶詰の療法食だったり繊維質の多いドライフードを渡して終わり。


と、まぁ大体の子はこれで良くなるんですが、時には治らない子もいます。

一旦良くなってまた悪くなる子、全く良くならない子、より酷くなる子。

そう言った時、血液検査、レントゲンや超音波などの画像検査、さらに今では「下痢パネル」と言われるどんな菌やウイルスがいるのか?といったことを調べる検査をしたりします。

で、結局整腸剤、抗生剤、などを中心に使うのですが、それでも治らない時に「ステロイド」が使われるんです。

ステロイドがなんで下痢に効くの??って思われるかもしれないですが、おそらく腸の炎症を止めるからだと思います。

ステロイドっていうのは強力に炎症を止めます。

皮膚炎、関節炎、そして腸炎。

他にも膠原病などの免疫が暴走して身体の炎症が出てしまうものにも使います。

動物が皮膚や耳が痒い時に処方される白っぽいクリームや軟膏を見たことありませんか?

あれには大体ステロイドが入っていて、塗ると炎症が止まり痒みが引きます。

我々が使っている虫刺されの薬にもステロイドが入っているものが多いです。


非常に便利な薬で短期間使うのにはいいんですが、必ず副作用が出ます。

・免疫が落ちる=感染症にかかりやすくなる
・肝臓や腎臓などの臓器に負担がかかる
・筋肉が薄くなる
・お水をよく飲んだりご飯をたくさん食べたりする

何よりも私が思ういちばんの副作用は

「便利すぎるのでつい使ってしまうが、原因は何も取り除かれていないので治るわけがない、ってことをみんな知らないで使っている」

ってこと。


話を下痢に戻します。

治りにくい下痢にステロイドを使うと炎症も止まり、一時的に下痢は止まります。

ここで食事を変えたり腸をととえたりすることに視点を向ける事ができれば、その後のステロイドは控えられる可能性も出てきます。

でも食事が療法食だけだったり他の薬を飲み続けたり、さらにはステロイドだと副作用があるからといって他の免疫抑制剤などを使っていたりすると、より腸はボロボロになっていきます。

そもそも抗生剤を使った瞬間に腸内細菌のバランスは乱れて免疫は落ちていきます。

それで「下痢が治らない」って、今考えると当たり前のことですが、当時の私は「下痢を一瞬で治したいし、治せるってすごい」って思っていましたので、結構抗生剤を使っていました。


そりゃその後どんどん酷くなっていきますよね。


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執筆者
林 潔高
林 潔高
獣医師
林 潔高(はやし きよたか)

2012年に日本大学を卒業後、静岡市内および東京の動物病院で勤務。

2019年から2年半、24時間体制の動物病院「動物救急センター」で勤務。

2021年より東京の動物病院で院長として勤務した後、2023年に独立。

現在、静岡と東京を中心に往診をしております。

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